
あなたに必要な薬膳は?不調別の養生食材がわかる早見表
体のあちこちに不調が表れたとき「何を食べたらいい?」の答えがすぐに見つかる「養生食材早見表」。あなたと家族の健康を支えるお守りとして、ぜひご活用ください。
目次
「気・血・水」と五臓のバランスを整える養生食材を選んで体調を改善

体調が優れないのに病院ではこれといった異常は見つからず、解決策が見当たらないときはありませんか?
「西洋医学とは違って、病気未満の軽い不調を診断できるのが、東洋医学のいいところ。顔色や舌の状態、生活習慣、不安といった感覚的な情報を読み取ることで不調の原因を見つけ、改善へとつなげます」と漢方カウンセラーの大久保愛さん。
体の要素である「気・血・水」と「五臓」のバランスを整えることで、心と体の健康が保てるとも。
「五臓は、食事の内容や生活習慣から影響を受けやすいもの。五臓のどれが弱いかによって起こる不調のタイプが分かれます。まずは、下のチェック表で自分のタイプを確認。『養生食材早見表』を参考に、弱った五臓を補う養生食材を、いつもの料理に取り入れましょう」
薬膳というと難しいイメージがありますが、その時の体調を整えてくれる食材を“選んで食べる”ことが薬膳の考え方です。コツコツ積み重ねることで薬に負けない効果を発揮します。
漢方のコトバ
【気・血・水】
漢方において体を構成する大事な要素。食べることや呼吸することで作られ、「気・血・水」のバランスが整っていれば、心と体を元気にしてくれます。
【五臓】
「五臓」といっても、臓器そのものを意味するのではなく、体の働きを5つに分類したものに「肝・心・脾・肺・腎」とネーミングしたものであり、お互いに連動しながら動くのが特徴。たとえば、肝の症状を治そうとすると、心の不調も同時に改善することができます。
弱った「肝・心・脾・肺・腎」の五臓をチェック!
次のチェック表であなたの悩みをチェックして。チェックが多く付いたタイプの食材を「養生食材早見表」から探して食べましょう。
【タイプA】
□イライラ、 落ち込み
□頭痛、肩コリ、背中の張りがある
□眼精疲労、ドライアイ
□歯ぎしり、 食いしばりがある
□顔の筋肉がぴくぴくする
【タイプB】
□寝つきが悪い
□手足がむくみやすい
□動悸(どうき)や息切れ、不安感がある
□汗をかきやすい
□顔は熱く、下半身が冷える
【タイプC】
□胃もたれ、お腹の張りがある
□食欲がない
□痩せやすい、太りやすい
□フェイスラインのニキビ
□口内炎、口角炎
【タイプD】
□アレルギー体質
□便秘や下痢ぎみ
□のどの調子が悪い
□鼻が詰まる
□肌荒れがある
【タイプE】
□トイレが近い、または遠い
□腰が痛い、むくむ
□抜け毛や白髪が気になる
□寝不足ぎみ
□目の下のクマが気になる
一番チェックの多いタイプがあなたの五臓タイプです
【タイプA】→<肝>ストレスタイプ
血液を貯蔵する「肝」の働きが低下。ストレスの影響を受けやすく、自律神経が乱れがち。アブラナ科の野菜、タウリンを含むタンパク質、鉄、ビタミンCがおすすめ。
【タイプB】→<心>血行不良タイプ
「心」の働きが弱り、血が不足している可能性が。全身に酸素や栄養が届かず、神経伝達物質の材料不足や細胞の酸欠などで不安を感じやすい。夏野菜、オメガ3脂肪酸、ビタミンE、スパイスが◎。
【タイプC】→<脾>冷えタイプ
「脾」が弱り、消化不良や血糖コントロールの不調を感じやすいかも。消化を助ける食材、ビタミンB群、マグネシウムを摂って。
【タイプD】→<肺>便秘タイプ
呼吸が浅く「肺」や腸の動きが悪い状態。バリア機能が低下し、喉や鼻が弱い傾向に。キノコ類や貝類や甲殻類、腸や免疫を整える発酵食品、水溶性食物繊維、ミネラルを積極的に摂りましょう。
【タイプE】→<腎>不眠タイプ
「腎」の働きが低下し、老化現象や水分代謝の低下が起こりやすい。睡眠時間を増やし、赤身肉、亜鉛、マグネシウムなどを多く含む食材で腎臓の働きと内分泌系の機能をサポート。
養生食材早見表
チェックが多く付いたタイプに効く食材を下記の「養生食材早見表」でチェック。自分のタイプの食材を取り入れてみてください。

ポイント1
体質は、食事や生活習慣に影響を受けやすいもの。気になる症状があったら週に2回試してください。
ポイント2
不調が改善したら、脾→肺→肝→心→腎の順番に繰り返してみてください。体調が改善されますよ。
イラスト/内藤あや
(からだにいいこと2021年8月号を元に一部加筆・修正)
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