
固まった筋肉をほぐして慢性的な腱鞘炎・肩コリを改善するストレッチ法
スマホやのやりすぎで、肩や腕がガチガチ……。その不調、実は背中や肩周辺の筋肉が縮まった状態になっているかもしれません。体のコリや痛みの原因、今すぐできるほぐし方をわかりやすく紹介します。
目次
縮こまった手を伸ばせば、肩コリや手の痛みがスッキリ
慢性的な肩コリや腱鞘炎の痛みの症状の原因について、柔道整復師の高林孝光さんはこう言います。「同じ姿勢でデスクワークをしたりスマホを使ったりすると、肩や腕、腰などの筋肉に疲労がたまります。すると、脳は傷んだ筋肉を回復させるために、周りの筋肉を収縮させ、固くすることで安定させようとします。これがコリの原因。筋肉のコリによって血管が圧迫されると血行が悪くなるため、疲労物質や痛み物質が蓄積し、痛みや重さを感じるのです」
体のコリや痛みに悩む多くの人には、共通点があるそうです。「背中や肩周辺の筋肉が縮んだままになっている人は、“手が短い”状態になっています。手を伸ばせば肩、背中、腰までつながる広範囲の筋肉を一気にゆるめることが可能です。血行が改善されれば、コリや痛みも元からスッキリしますよ!」
手を伸ばすと肩コリ・腰痛がラクになる理由

手を酷使していると肩や腰まわりの筋肉が縮んでしまい、左右の手の長さにズレが発生。これが原因で肩コリや腰痛が起こります。
背中側にある広背筋は腰から腕につながっているので、手を伸ばすだけでストレッチ効果を発揮。これにより広背筋がゆるみ、腰痛や肩コリが改善。同時に、左右の手のズレを正す「整体効果」によって、痛みを改善することもできます。
腱鞘炎やひじの痛みをやわらげる「手首伸ばし」のやり方
指の痛みや腫れを改善する方法。手の甲で中指の付け根をほぐします。ひじの痛みもラクに。
(1)右手を前に伸ばす

椅子に座り背筋を伸ばす。手のひらは体の内側へ向け、右手の小指を床と平行に伸ばす。左手は力を抜き、下げたままにする。
(2)手のひらを返す

右手のひらを体の内側に倒して手首を回転させる。
(3)中指の付け根をほぐす

右手首を曲げて中指の付け根に当たる手の甲に左手の指を添え、グルグルと回しながら10秒ほぐす。反対側も同様に行う。
ほぐすのはココ!

腰痛が軽くなる「くびれ押し」のやり方
もんでもほぐせない腹横筋(ふくおうきん)を伸ばして、効率よくほぐします。原因がはっきりしない腰痛にもおすすめ。
(1)両手の親指を腰に当てて押す

両足を肩幅に開いて立つ。両手の親指を肋骨と骨盤の間に当て、グーッと押す。腰の深い場所にある腹横筋がゆるむ。
<後ろに反らしやすくなる!>

肩コリ・腰痛を改善する「グルグル腕回し」のやり方
腕回しはできるだけ速く、勢いよく回すのが効果アップのコツ。やる前と後で腕の長さをチェックしてみて。
(1)前回しを7秒で7回、後ろ回しも7回行う

少し足を開く。背筋を伸ばして立ち、左手をまっすぐ前に上げる。手のひらを体の内側に向け、指先を伸ばす。右手で脇の下を押さえ、左手を前から後ろへ、7秒で7回勢いよく回す。続けて後ろ回しを7回行う。反対側も同様に行う。
※脇の下を押さえることで姿勢が安定し、手が回しやすくなります。
撮影/福島章公 モデル/中田奈沙
(からだにいいこと2021年6月号より)
[ 監修者 ]