
食事制限やハードな運動なしで脂肪燃焼「ゆる腸活」のススメ
腸活ダイエットをするのなら、ガマンせずに続けられることが大切。ストレスを感じれば、腸内環境が悪化して逆効果です。毎日の生活に、ほんの少し腸に良いことをプラスする「ゆる腸活」を試してみて。
目次
ガマンは腸の大敵!ペタ腹への近道「ゆる腸活」

“腸が良くなるとヤセやすくなる”というイメージは多くの人が持っていますが、意気込みすぎて食事や生活を制限しすぎるのは逆効果。
「ダイエットにもっとも効果的なのは、ガマンせずに続けられる『ゆる腸活』。少しでもストレスを感じることは続きませんし、そのストレスで腸内環境は悪化します」と、消化器内科医の工藤あきさん。
「いつもの食事に腸にいい食材をプラスする、きつい運動ではなく日常動作で腸を少し意識してみる。こうした食や動きの“ちょい足し”で、無理なくヤセることができます」
また、ダイエットでやりがちな過度な糖質制限はNGとも。「炭水化物を避けると食物繊維の摂取量が減り、腸内環境が悪化。わずかな糖質で血糖値が急上昇しやすくなるうえ、ストレスでドカ食いも。何かを制限するのではなく、腸にいい習慣を“ちょい足し”するのが、ダイエット成功の秘訣です」
腸が元気だとそれだけでヤセやすくなる理由

(理由その1)脂肪燃焼を促す「短鎖脂肪酸」が増える
腸内の善玉菌は、食物繊維をエサにして「短鎖脂肪酸」と呼ばれる物質を産生。短鎖脂肪酸は脂肪細胞が栄養分を取り込むのを抑えたり、脂肪燃焼を助けたりします。腸内に“いい菌”を増やせば短鎖脂肪酸も増え、食べても太りにくい体質に。
(理由その2)老廃物や脂質が排出されやすくなる
便をはじめとした“いらないもの”を排出するのが腸の役割。海藻などネバネバした食材に多く含まれる「水溶性食物繊維」は腸内で余分なコレステロールを吸着し、便とともに排出。さらに糖の吸収も抑え、血糖値の急上昇を防ぎます。
(理由その3)便通が良くなり体重よりもヤセ見え
成人の1日の便の量は500gほどといわれます。快便ならばトイレ後はそれだけ体重が減るということ。ガスもたまりにくくなるので、お腹の張りも改善。むくみにくくもなるので、体重以上にお腹まわりがスッキリし、ヤセて見えます。
ちょい足しゆる腸活のコツ
(1)「食べ物」をちょい足し

善玉菌とそのエサを同時に摂れば代謝UP
脂肪燃焼を促す短鎖脂肪酸を増やすには、善玉菌そのものと、善玉菌のエサになる食品を一度に摂るのが理想。ヨーグルトやみそ、納豆、キムチなどの発酵食品には善玉菌が含まれます。エサとしては食物繊維が豊富な野菜や海藻、オリゴ糖を含むバナナなどがおすすめ。これらを普段の食事に足せば“ヤセ腸”に近付けます。
(2)「動き」をちょい足し

「ひねる」「もむ」で腸を刺激して老廃物を出す
便秘の予防や改善に激しい運動は不要。ただし、座りっぱなしだと血流が滞って腸の動きが悪くなるので、体をひねったり、お腹の上からマッサージしたりといった、ちょっとの動作をプラスして。脂肪や糖、添加物など体にとって“いらないもの”は便とともに排出されます。排便のリズムを整えることは、デトックスの基本です。
腸内細菌が変われば2週間で体は変わる

「日々食べるものが腸内細菌の種類やバランスを決めます」と、工藤さん。腸内細菌は少しずつ入れ替わるので、腸活の効果が現れるまでに2~3週間かかることも。「諦めずに少しずつでも続ければ、必ず結果は出ますよ」。
(からだにいいこと2021年6月号より)
[ 監修者 ]