
ガマンできない痛みに即効「10秒鎮痛ストレッチ」
のどの痛み、胃もたれ、生理痛など、あちこちのガマンできない痛みに効く「鎮痛ストレッチ」をご紹介します。こり固まった筋肉を気持ちよく伸ばして、痛みを改善させましょう。
筋肉に栄養が行き渡れば痛みが瞬時にやわらぐ!

病院に行くほどではなくても、体のどこかに痛みがあると、日常生活にも影響が出るもの。痛む部位は、つい動かさないようにしがちです。
でも「動かない状態をキープするほうが、体に負担がかかります。無理のない範囲で動かし、筋肉を伸ばせば痛みがやわらぎます」と柔道整復師の原幸夫さん。
痛みが生じるのは、こり固まった筋肉が栄養不足になっているから。ご紹介する「鎮痛ストレッチ」で血流を改善すると、筋肉はやわらかさを取り戻します。栄養も体じゅうに行き渡るので、痛みがやわらぐのです。
体を伸ばすときのポイントは、まじめになりすぎないこと。「角度はどのくらい?」などと気にしすぎると、かえってストレスに。「大まかなやり方だけわかったら、あとは気持ちよければOK。リラックスして行えば副交感神経が優位になり、ガマンできない痛みがより取れやすくなります」
鎮痛ストレッチ3つのルール
ストレッチの正確さを重視しすぎると、ストレスで効果が弱まることも。写真と多少違ってもいいので、「気持ちよさ」を優先して。
(1)気持ちいい強さ、角度で行う
(2)“伸びている感” を意識する
(3)痛みが強いなら、無理はしない
鎮痛ストレッチ
首伸ばし
症例:のど痛、首痛
風邪でもないのにのどが痛んだり、せきが出たりするのは、首の前面がこっているせいかも。 デスクワークで疲れた人にもおすすめです。

やり方)手と頭の動きで 首・のどを伸ばす
鎖骨に手のひらを当て、首の皮膚を押し下げる。そのまま上を向き、10秒ほどキープ。首を左右にひねったり、角度を変えたりしながら何度か行うと、さらに効果アップ 。
足先まわし
症例:ひざ痛
かかとを支点につま先を動かし、ひざ関節をほぐします。無理に動かそうとせず、できる範囲で行うだけでも効果は十分!

やり方)つま先を左右に動かす
いすに浅く座り、左ひざが動かないよう両手でおさえる。かかとは床につけたまま、左のつま先を外側と内側にゆっくりと5回、ワイパーのように動かす。反対側も同様に。
片脚伸ばし
症例:生理痛
毎月やってくる手ごわい生理痛には、腸腰筋のコリをほぐすストレッチがおすすめ。骨盤内の血流が良くなると、重だるさもやわらぎます。
<ポイント>
生理痛が強いとお腹まわりの腸腰筋も硬くこり、さらなる痛みを引き起こします。腸腰筋を伸ばしてゆるめれば血流が改善して痛みが改善し、冷えも予防にも。

やり方)いすに浅く座り股関節を伸ばす
いすに浅く座り、体を右に向ける。右手 で背もたれをつかんだら、左脚を後ろに引き、足の甲を床につける。腰が反らないように注意しながら、股関節の前面を10秒ほど伸ばす。反対側も同様に。
こめかみ伸ばし
症例:眼痛
画面の見すぎで起こる眼精疲労は、目の痛みや頭痛の原因に。こめかみを伸ばすだけでラクになるほか、作業の合間の気分転換にもなります。

やり方)こめかみを手で押し上げる
左右のこめかみに、人差し指または中指を当てる。手をぐっと押し上げ、10秒ほどキープ。手の位置や角度を少しずつ変え、何度か行うとさらに◎。
すね伸ばし
症例:胃痛
食べすぎやストレスで起こる胃痛。すねへの刺激がお腹まわりの筋肉に伝わると、血流が上がって痛みがやわらぎます。
<ポイント>
痛みが強い場所を刺激しなくてもOK。筋肉は単独では働いておらず、筋膜を通じて連動しています。そのため、痛みが強い場所そのものを動かさなくても、関連する場所を伸ばせば痛みは改善。脚には胃に関連するツボも多数あるので、さらに効果的です。

やり方)いすに浅く座り股関節を伸ばす
いすに浅く座り、上半身はラクな状態に。右脚を引いてつま先を床につけ、右のすねの前面を伸ばす。10秒ほどキープしたら、反対側も同様に。
ほどよく伸ばすコツは、“ながら”で行うこと。家事の合間やTVをみながら、仕事の休憩時間など、好きなタイミングで気楽に試してみて!
撮影/福島章公 モデル/中田奈沙
(からだにいいこと2021年6月号より)
[ 監修者 ]