
甘いものや添加物を控える「腸の毒出し」で、疲れ・頭痛などの不調を改善
健康的な食生活をしているのに、不調が続いている方は、腸にすみついたカビのせいかもしれません。腸内のカビが増えすぎると、体に悪影響を及ぼすこともあります。腸のカビを退治して、体調改善につなげてください。
目次
腸のカビを退治して全身の炎症をおさめよう!

「健康を気にしているのに体調不良が続くのは、腸にすみついたカビのせいかも」と、内科医の内山葉子先生。「健康的な食生活をしているはずなのに、なかなか症状が良くならない患者さんたちがいて。もしかしたら、と思い、カビの好物であるパンをやめるように指導したら、お腹のハリが減る人が多かったんです」
カビは本来、誰の腸にもいる微生物。ただし増えすぎると、腸内で免疫力を下げる物質を作ったり、ミネラルの吸収を妨げたりと、体に害を及ぼすこともあります。さらに増加を続けると腸を破壊し、血液に乗って炎症物質を全身に巡らせてしまう恐れもあるのだとか。
栄養学の勉強をきっかけに、内山先生自身も添加物やカビの好物を避けるように。すると「若いころより体が軽く感じるようになった」そう。
「カビを溜めない習慣を始めると、1週間ほどで『甘味がほしい』『パンが食べたい』という思いがなくなります。これは体から毒が出たサイン」
心当たりがある方は、ご紹介する習慣を、まずは3週間、試してみて!
増えすぎたカビが体調不良のもとだった!

腸内にはびこったカビは、さまざまな有害物質を生成。腸内の糖分を発酵させ、アルコールを作って頭痛やめまいの原因になるほか、免疫力を下げたり、ビタミンの働きを失わせたりする物質も作ります。
さらに、カビが出す酵素が腸に炎症を起こし、腸壁の粘膜を破壊することも。壊れた腸壁から漏れ出た炎症物質は、血流に乗って全身に回り、あちこちで炎症や不調を引き起こす原因になります。
増えすぎなければOK
カビは、すべての人の腸にいるもの。微量であれば、腸内細菌がカビの活動を抑えるので、体に害はありません。
あなたの腸にもカビが溜まっている!?

下記のチェック項目のAに当てはまる症状があり、かつBにひとつでも当てはまったなら、その不調はカビが原因になっている可能性大。Aのチェックが多いほど、大量のカビが溜まっていると考えられます。
A:症状チェック
□お腹にガスが溜まりやすい
□食事をするとすぐにお腹がいっぱいになる
□水虫・カンジダなどの皮膚のトラブルがある
□顔に湿疹ができやすい、赤くなりやすい
□異常に疲れやすい
□気分の変動が激しい
□頭痛持ちである
B:状況チェック
□雨やくもりの日は体調が悪い
□これまで抗生剤を何度も服用したことがある
□胃酸を抑える薬を長期にわたり服用している
□甘いものやパンを食べると体調が悪くなる
□甘いものが大好きで欠かせない
3週間で体調改善! 毒を出す4つの習慣

まずは3週間、カビの大好物を断ちましょう!
「3週間断つと、腸内からこうした食品への抗体がなくなります。するとカビが減り、体調が改善していきますよ」(内山先生)。
1)甘いものをやめる

砂糖に限らず、甘いものはカビの大好物。上記のリストでチェックがついたら、はちみつやてんさい糖も含め、甘味はしばらく避けてみて。果物も、バナナなど甘さが強いものは一旦NG。どうしても甘味がほしいときは、ステビアやキシリトールなど、血糖値が上がらないものを選んで。
2)パンをやめる

パンは、カビの大好物である砂糖や添加物をたっぷり含んでいます。さらにパンに含まれるタンパク質の一種「グルテン」は消化しにくく、腸内の炎症を引き起こす原因に。これらを特に多く含む菓子パンや甘いパン、ロールバンなどのやわらかいパンは、3週間しっかり控えて。
3)添加物を避ける

化学調味料や着色料などの食品添加物は、腸にダメージを与え、免疫力を低下させる原因に。完全に避けるのは難しくても、店頭でパッケージの表示を見比べ、できるだけ添加物が少ないものを選んで。産地がわかったり、生産者の顔が見えたりするものを選ぶと安全な場合が多いです。
4)抗生剤に注意する

抗生剤は、細菌にのみ効く薬。ウイルスが原因の風邪には効かないどころか、腸内細菌を殺し、カビを蔓延させる原因に。処方されそうなときは「本当に必要ですか?」と医師に確認してみてください。ただし本当に抗生剤が必要なケースもあるので、その場合は医師の指示通りに飲み切りましょう。
完璧を目指す必要はナシ! 「おいしく楽しく」が一番

100%断とうとするとストレスになり、免疫力も低下。「チェーンよりも地産地消のお店」「値段が許す範囲で添加物が少ないもの」など、できる範囲でOKです。「おいしそうだけど、カビの好物が……」と悩むなら、ときには心の栄養だと開き直って!
(からだにいいこと2021年2月号より)
[ 監修者 ]