今年の花粉症対策は「腸」から!その理由を第一人者が解説
花粉症の季節がやってきました。スギ・ヒノキ両方の花粉に反応して、春の終わりまで症状が長引く人も増えています。免疫の根本「腸」に注目した花粉症対策について、腸内細菌と免疫の専門家に教えてもらいました。
目次
ツライのは目や鼻。でも花粉症のカギを握るのは遠く離れた「腸」だった

日本人の2人に1人といわれる花粉症。昨年の夏は日照時間が長く、高温が続いたことなどから、今年の花粉飛散量は全国的に平年を上回る予想です。すでに鼻や目がツライという人も多いのではないでしょうか。
花粉症の主な症状は、くしゃみや鼻水、目のかゆみ、のどのイガイガなどですが、実は花粉症のカギを握るのは、症状の発生部位から遠く離れた腸であることがわかってきました。
花粉症になった目や鼻は、花粉の飛散がおさまると元通り正常になります。つまり、花粉症は目や鼻に異常があるのではなく、本来は無害な花粉に対して体の免疫システムが過剰に反応し、「免疫のブレーキ」がきかなくなった状態。そして、このブレーキをコントロールしているのが腸なのです。
花粉症対策には「免疫アップ」よりも「免疫コントロール」が重要
腸は外界から大量の異物が侵入する「入口」であると同時に、全身の免疫の半分以上が集まっている、体内で最大の免疫器官です。すべての異物に反応しては食事を摂ることもできないため、腸には無害なものには免疫を働かせない「免疫のブレーキ」がデフォルトで備わっています。
腸の中には約40兆個の腸内細菌がすんでいますが、この腸内細菌は免疫細胞の教育係のような存在で、免疫が過剰に働かないように免疫細胞を教育します。
腸内細菌がしっかり働いていれば、免疫のアクセルとブレーキのバランスは保たれていますが、腸内細菌がきちんと働かないと、免疫バランスが乱れ、「免疫のブレーキ」が故障した状態に。本来反応しなくてよい「花粉」という侵入物に対していちいち反応するのはそのためです。
「免疫のブレーキ」が正しく機能するようになるには、腸内細菌に免疫の教育係として免疫をコントロールしてもらうこと。つまり、花粉症対策には、腸内細菌がしっかり働ける状態をつくることが大切なのです。
免疫コントロールには「食物繊維」と「発酵食品」を摂ることがポイント
腸内細菌がしっかり働いて免疫コントロールをするために大切なのが「食物繊維」と「発酵食品」です。
最新の研究で、腸内細菌は「善玉菌」「悪玉菌」とはっきり分かれるのではなく、悪玉とされる菌も他の菌と協力して有益な働きをするなど、菌どうしが助け合って「分業制」で働いていることがわかってきました。
菌の中には食物繊維を食べて糖をつくる菌や、その菌がつくった糖を食べて酢酸や乳酸をつくる菌、さらに酢酸や乳酸から有用な短鎖脂肪酸であるプロピオン酸や酪酸をつくる菌などさまざまな菌がいます。それぞれの菌の働きを高めるためには、腸内細菌のエサとなる「食物繊維」と、腸内細菌を刺激して活性化する「発酵食品」を摂る必要があります。
■穀物や豆などの食物繊維

日本人の食物繊維摂取量は年々少なくなっており、男女ともに1日5~10g不足しているといわれています。野菜サラダだけでなく、穀物、豆、芋などに多い「発酵性食物繊維」を意識して摂るようにすると腸内細菌の活性化につながります。
■ヨーグルトや納豆などの発酵食品

納豆やみそなどに含まれる「糖化菌」、ヨーグルトやぬか漬けなどに含まれる「乳酸菌」など、有用菌を摂ることも重要です。外から菌を摂る目的は摂った菌を定住させることではなく、もともと腸内に常在する有用菌をサポート・活性化することです。
乳酸菌など、食品として摂取する菌の多くは一度に大量に摂っても、数日後にはいなくなってしまうため、毎日摂ることが大切です。自分の腸内細菌との相性もあるので、まずは3週間程度続けてみるとよいでしょう。
腸内細菌のためにも睡眠や休養はしっかりとって

花粉症のシーズンは生活の切り替えや子供の受験・卒業・入学など、忙しい時期に重なりますが、腸内細菌をしっかり働かせるためには睡眠や休養も大切です。
腸の働きは自律神経の影響を大きく受けるため、睡眠不足や不規則な生活で自律神経が乱れると、腸の働きが低下し、その結果、腸内細菌がしっかり働けなくなります。
また、免疫システムは睡眠中にメンテナンスされるため、睡眠中に腸内細菌が「免疫の教育」を行うためにも睡眠は重要です。
さらに「脳腸相関」といって脳と腸は密接な関係があり、ストレスの多い生活は腸内環境の乱れにもつながるもの。自分の時間をなるべくとって、休める時はしっかり休むことも心がけましょう。
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