足つぼが痛い!部位でわかる不調とセルフケア
本記事では、足つぼが痛いと感じる理由や、痛みを感じる部位と体の不調との関係を解説します。自宅でできるセルフケア方法も紹介しますので、不調を感じている方はぜひご覧ください。
足つぼが痛いと感じる3つの理由

足つぼを押したときに痛みを感じるのは、いくつかの理由があります。痛みの原因がわかれば、セルフケアに役立てられます。ここでは、足つぼが痛いと感じる主な理由を、3つ見ていきましょう。
(1)老廃物蓄積や疲労が蓄積している
足裏は、体の中でも特に老廃物が溜まりやすい場所の一つです。立ち仕事やPCでの作業など、同じ姿勢を長い時間続けていると、血液やリンパの流れが滞りやすくなります。その結果、足裏に老廃物が蓄積し、足つぼを押したときにゴリゴリとした痛みを感じることがあるでしょう。
(2)内臓の不調が足裏の痛みに現れている

東洋医学では、足裏には体内の臓器や器官に対応する「反射区」があるとされています。反射区は対応する内臓や器官につながっているため、その場所に不調があると、反射区の痛みとして現れると考えられています。
例えば、土踏まずの中央部分に痛みがある場合は胃の不調などが隠れているのかもしれません。ただし、足つぼの痛みだけで病気を診断することはできないため、体調管理の目安として捉えておきましょう。
痛みが続く場合や他の症状がある場合は、医療機関で診察を受けることをおすすめします。
(3)足裏の筋肉疲労が痛みを引き起こしている

足裏は、毎日自分の体重を支えながら地面に押されているため、常に大きな負荷がかかっている部位です。そのため、足裏の筋肉に疲れが溜まると、炎症を起こして、軽く足つぼを押しただけでも痛みが出てしまうことがあります。
また、足裏に負荷がかかり続けて筋肉がこわばり、固くなってしまったときに足つぼを刺激されると、痛みを感じることがあるでしょう。
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不調のサイン!足つぼの痛い場所と体の関係

東洋医学では、足裏のどの部分に痛みがあるかによって、体のどこに不調があるのかを知る手がかりになると考えられています。ここでは、主な足つぼの位置と体の関係について見ていきましょう。
ストレス・頭の足つぼ

足の親指部分は、頭や脳に対応する反射区だと考えられています。足の親指を押したときに痛みや不快感が強く出る場合は、頭の使いすぎやストレスの蓄積が関係している可能性があります。
頭を使う作業が続いていたり職場での緊張状態が長引いていたりするなど、メンタル面での負担を感じている場合に、痛みを感じることもあるでしょう。
加えて、頭痛や寝不足の影響も、足の親指周辺のつぼに関係があると言われています。左右の親指を丁寧に揉みほぐすと血の巡りが良くなり、頭がはっきりした感覚を得られることもあります。なんとなく頭が重だるいと思ったら、足の親指あたりの足つぼを確認してみてください。
自律神経・目・耳・肩の足つぼ

足指の根元付近には、眼・耳・肩といった部位や自律神経系に関連した反射区が集まっています。指ごとに反射区は異なり、人差し指と中指の根元部分は「眼」、薬指は「耳」、小指は「肩」に対応しています。
それぞれの箇所が疲労していたり調子を崩していたりすると、足指の根元を押圧したときに鋭い痛みを覚えることがあるでしょう。
パソコンやスマートフォンの画面を長時間見続けて目がしょぼしょぼするときや、イヤホンの使用時間が長く耳の疲れを感じるとき、デスクワークなどで肩こりがつらいときには、対応する指の根元部分を意識して刺激してみてください。
それぞれの箇所が疲労していたり調子を崩していたりすると、足指の根元を押したときに鋭い痛みや強い圧迫感を覚えることがあります。柔らかく押したり、くるくると円を描くようにマッサージしたりすることで、リラクゼーションに有効です。
甲状腺の足つぼ

甲状腺に対応する反射区は、両足の親指の付け根の下の膨らんでいる部分にあります。甲状腺は、新陳代謝やホルモンバランスを担う器官です。
反射区に痛みがある場合、疲れやすさや体温調節の乱れ、体重の変動などを感じている可能性があります。甲状腺ホルモンは、代謝を促す役割を担うため、分泌量のバランスが重要です。
多すぎると汗をかきやすくなる、少なすぎると冷えを感じるといった不調を感じてしまいます。甲状腺の足つぼを押して痛いと感じる場合は、機能が低下している可能性があると言われています。
代謝の不調を感じるときには、甲状腺の足つぼを優しくマッサージしてみてください。
心臓の足つぼ

左足の裏側、中心からやや薬指方向に寄ったところには、心臓と関連する反射区があります。押して痛みが生じる際は、心臓機能に何らかの負荷がかかっているサインかもしれません。
「このところ疲労感が抜けない」「夜中にトイレへ行く回数が多くなった」「手足の冷えが気になる」などの変化があれば、心臓からの警告信号かもしれません。
なお、高血圧や心臓に関する疾患をお持ちの方は、独自の判断でセルフケアをするのではなく、必ず医療機関に相談するようにしてください。
胃の足つぼ

土踏まずは、胃や腸といった消化器官と密接につながっている反射区です。押したときに痛みが出るなら、消化能力の衰えや胃腸の負担が関係しているかもしれません。
特に、腸に対応する反射区は土踏まずのかかとの近くに集中しているため、お通じに悩む方にはこのあたりのケアが有効です。
なんだかお腹の具合がすっきりしないと感じるときや、便秘気味でお腹が張っているときは、土踏まず全体をゆっくりともみほぐしてみてください。入浴後など、体が温まっているタイミングで行うと、よりリラックスしやすくなります。
毎日のセルフケアとして取り入れることで、胃腸のコンディションを整える習慣づくりにもつながるでしょう。
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婦人科系の足つぼ

かかとの反射区は、生殖器官と関わりが深いとされています。月経周期の乱れや月経痛が気になるときは、かかと全体をやさしく揉みほぐして血流を整えるセルフケアを試してみるのもよいでしょう。
かかと全体をむらなく揉みほぐしていくことで、こわばりがやわらぎ、症状の軽減が見込めます。月経の前後にケアを取り入れることで、不快感の改善や予防効果が期待できます。
ただし、妊娠期間中は自分で足ツボのケアをすることは避け、体調に変化を感じたときはまず担当医に相談してください。
足つぼマッサージで期待できる3つの効果
足つぼマッサージには、さまざまな健康効果が期待できます。セルフケアを続けることで、体調の改善につながる可能性があります。ここでは、足つぼマッサージの代表的な3つの効果について解説します。
(1)全身の血行促進と代謝の向上

足裏を刺激する足つぼマッサージは、血液やリンパの流れを促したいときに効果的です。血流が良くなると、足のむくみや冷えの改善にもつながります。
むくみがとれると足の重さや疲れを感じにくくなるでしょう。さらに、老廃物の排出が促進されると、体内の巡りが整い、代謝機能の向上も期待できます。
立ち仕事が続いた日や、デスクワークで長時間同じ姿勢が続いたとき、夕方になると足がパンパンに感じるときなどは、休憩時間やお風呂上がりに足つぼマッサージを取り入れてみてください。
短時間でもこまめに足裏をほぐす習慣をつけると、日常的な冷えやだるさの軽減にも役立ちます。
(2)内臓の活性化と免疫力の向上
東洋医学では、足裏の反射区は内臓と関係があるとされています。そのため、胃腸や腎臓、肝臓などの反射区を刺激することで、消化機能や代謝機能の改善が期待できます。
また、足つぼマッサージで心身のこわばりが緩むと、体の免疫力が高まり、風邪などの感染症にかかりにくい状態づくりに役立つとされています。
食べ過ぎて胃が重く感じるときや、なんとなく内臓の疲れを感じるとき、季節の変わり目で体調を崩しやすいと感じるときなどは、内臓に対応する反射区を意識して優しく刺激してみてください。
お風呂上がりや就寝前のリラックスタイムに取り入れると、体の内側から整えていく習慣づくりにもつながります。
(3)リラックス効果と姿勢の改善

足つぼマッサージには、心と体をリラックスさせる効果が期待できます。足裏を優しく刺激することで副交感神経が優位になり、ストレスの軽減や睡眠の質の向上につながるとされています。
また、足裏の筋肉や腱をほぐすと足のアーチが整い、姿勢の改善にも有効です。正しい姿勢が保てるようになると、腰痛や肩こりの予防にもつながるでしょう。
さらにリラックス効果を高めるには、アロマオイルを使ったり、落ち着いた音楽を流したりするのも効果的です。自分にとって心地よいと感じる環境で足つぼマッサージをすることも大切です。
足つぼの痛みなどに関してよくある疑問

足つぼマッサージを始めるときに、多くの方が抱く疑問について答えていきます。正しい知識を身につければより効果的なケアができるはずです。一つずつ、詳しく見ていきましょう。
足つぼは痛い方がいいですか?
「痛い方が効いている」と考える方も多いのですが、実は強い痛みを我慢する必要はありません。足つぼマッサージは、心地よい程度の刺激を与えることが大切です。
痛みを我慢して強く押しすぎると、筋肉や腱を傷めてしまう可能性があります。また、体が緊張してしまい、リラックス効果が得られにくくなる恐れもあります。「痛気持ちいい」と感じる程度の強さが理想的です。
足つぼを毎日押してもいいですか?
足つぼは、基本的に毎日マッサージしても問題ありません。ただし、適度な強さと時間を守ることが大切です。1回のマッサージは片足5〜10分程度を目安にするとよいでしょう。
毎日続けることで、血流の良い状態を維持しやすくなります。
足つぼマッサージに効果的な時間帯と頻度は?

足つぼのセルフケアに向いているのは、心と体がリラックスしているときです。お風呂から出て体があたたまったタイミングや、就寝前の落ち着いた時間に取り入れてみましょう。
頻度は、毎日、片足5〜10分程度のケアをするのが理想的です。特に、長い距離を歩いたり立ち仕事をしたりした日の就寝前に行うと、溜まった疲労の軽減に役立ちます。
足裏の血流が良くなることで、身体全体のリフレッシュ効果も期待できます。毎日のセルフケアを積み重ねることで、体調が安定し、より健やかな毎日を過ごせるでしょう。
足つぼマッサージは毎日片足5~10分程度のケアを

この記事では、足つぼが痛いと感じる理由や、痛みを感じる部位と体の不調との関係、足つぼマッサージの効果や正しい方法について詳しく解説しました。足裏のツボの痛みは老廃物の蓄積や内臓の不調、筋肉疲労などさまざまな原因が考えられ、痛みの場所によって体のどこに負担がかかっているかを知る手がかりになります。
本記事で紹介した内容を参考に、日々のセルフケアに足つぼマッサージを取り入れてみてください。
[ 監修者 ]

















