柔道整復師と演技指導師が伝授! 脂肪燃焼力が上がるNEATアップ習慣とは?
動きや姿勢をほんのちょっと変えるだけで、日常生活の代謝NEATはアップします。本記事では、運動をしなくても脂肪の燃焼が促されヤセやすくなる、ヤセスイッチをONにする習慣をご紹介。ぜひお試しあれ!
目次
骨盤を立てるだけ・気になる部位を触るだけで脂肪が燃えやすい体質に

「生活の中の代謝『NEAT(ニート)』を高めれば、脂肪の燃焼が促されます。つまり運動しなくてもヤセやすい体質になりますよ」と話すのは、柔道整復師の中村考宏さん。
NEATの量が多い人は、どのような生活を送っているのでしょう?
「多くの筋肉を使い、体がきちんと動く生活ですね。そのために大事なのが、骨盤のポジション。骨盤を“立て”て正しい位置におさめると、股関節の動きが改善。多くの筋肉が使われ、NEATが高まります」(中村さん)
一方、演技指導師の鰐渕将市さんがすすめるのは、気になる部位を“触る”こと。「NEATを上げるためには、動かすべき筋肉を脳に知らせてあげることが大事」と話します。
「多くの人は使いやすい筋肉だけを使っています。でも、ヤセたい部位に触れると脳が『使うべき筋肉がここにある』と認識。使えていなかった筋肉が目覚めるのです」(鰐渕さん)
日常の代謝 “NEAT”を増やせばヤセ体質に!

NEAT(ニート)とは「非運動性熱産生」のこと。家事や仕事、通勤など、運動以外の身体活動で消費するエネルギーを指します。NEATを積み上げると、1日で消費するエネルギー量が増加。余計な脂肪が燃えやすくなり、体の引き締めや体重の減少にもつながります。
NEATの量は生活によって変わる
日中の代謝量は、生活習慣によって大きく変化します。普段から歩く機会が多い人は、NEATの量も多め。一方、座りっぱなしの時間が長い人は、カロリー消費はわずかな量に。そのままだと、どんどん太りやすくなってしまいます。
ヤセスイッチONで座ったまま脂肪燃焼をアップさせる
座りっぱなしの時間が長い人も、座っているときの姿勢や立ち上がるときの動作をひと工夫するだけで多くの筋肉を使えます。するとNEATが増え、勝手に脂肪が燃えやすい体に。運動ゼロでも代謝の良い体をキープできます。
勝手にヤセるうえコリや痛みも改善!
代謝が高まると1日の消費エネルギーが増え、ヤセやすい体に。また、多くの筋肉を使えるようになると、体のバランスが整い、一部の部位にかかっていた過度な負担が改善。コリや痛みが緩和されます。
【Part1】骨盤スイッチONで動かず代謝アップ

「骨盤が正しい位置におさまると、体の動きが大きくなり、使う筋肉も増加」(中村さん)。ヤセる座り方を身につけて!
骨盤スイッチのポイントは?
骨盤を立てれば座っていても代謝は高まる
下腹が出ている人の多くは、骨盤が後ろに傾き、重心が後ろにズレています。これだと姿勢が乱れるうえ、股関節が圧迫され、歩くときなどの体の動きも小さくなります。骨盤を起こせば重心が改善。使うべき筋肉を自然と使える姿勢になり、代謝が高い状態に。
股関節の可動域が広がりスタイルも代謝もアップ
骨盤を起こすことで、制限されていた股関節の可動域が広がり、立ったり歩いたりするときに多くの筋肉が使われるように。代謝が上がるだけでなく、お腹やお尻も引き締まります。
血流が増えて腸が動き、便秘・ガス腹が改善
骨盤が後傾していると腸は圧迫され、働きが低下してしまいます。骨盤を起こせば、圧迫から解放された腸が動き出し、骨盤内の血流もアップ。下腹肉や便秘の改善が期待できます。
骨盤スイッチをONにする座り方

①背中は背もたれから離す
背もたれに寄り掛かると、体の重心が後ろにズレて、筋肉を使いにくい体になってしまいます。イスに座るときは浅めに腰をかけ、背もたれはできるだけ使わない習慣をつけると◎。
②肛門を座面から浮かす
座っているとき、肛門が座面についていると、股関節がつぶれて体が動きにくくなります。座面と肛門の間にすき間をあけるような意識で座ると、股関節の動きが制限されず、体が動きやすい状態に。
③足の指はすべて床につける
かかとだけでなく、足のすべての指を床につけて座ります。すると、崩れた姿勢によって後ろに傾きがちだった重心が改善。イスは足裏が床につくものを選んだり、高さを調整したりして。
<これはNG>お尻に体重をかけるとポッコリ腹・腰痛の原因に

上の①〜③ができていないと、骨盤は後傾しがちに。座った状態でも立った状態でも腹筋に力が入らないため、お腹はポッコリ。腰にも負担がかかり、腰痛の原因になることも。
【Part2】触るだけスイッチONで動きを大きく

座っているとき、立ち上がるときにできるヤセ技を紹介。「触るだけで、脳は使うべき筋肉を意識することができます」(鰐渕さん)。
触るだけスイッチのポイントは?
使うべき筋肉を脳が認識する
無意識に使っている筋肉は、目的の動作に合った「使うべき筋肉」ではなく、自分の体が「使いやすい筋肉」のみ。触ることが刺激となり、本来使うべき筋肉の存在を脳が認識します。
多くの筋肉を使えて自然に代謝アップ
使うべき筋肉を脳が理解することで、動くときに正しい筋肉を使える体に変化。これまで使えていなかった筋肉にスイッチが入り、多くの筋肉を使った代謝のいい動きに変わっていきます。
基本の触るだけスイッチ
①ヤセたい場所に触れる
②触れた場所に力を入れる
③入れた力を抜く
仕事の合間に「お腹タッチ」でお腹引き締め

お腹のお肉が気になったとき、手があいたときなどに、お腹に両手でタッチ。そのあと、お腹に力を入れ、続いて脱力。腹筋が使われ、自然と姿勢も整います。
立ち上がる瞬間「お尻タッチ」で美尻づくり

お尻にタッチしてから立ち上がると、脚や腰などに負担をかけず、お尻の筋肉をピンポイントで使えます。習慣にすれば、立ち上がることが美尻トレーニングに。
気持ちが変わると代謝も上がる

「ヤセたね」と言われると、気持ちが前向きになるもの。褒められて自信がつけば、自然と姿勢が整い動作が大きくなります。すると日中の代謝が上がり、さらに脂肪の燃焼が促されるという、うれしいループに! 鏡の中の自分を自分で褒めても効果アリ。
2つの方法で筋肉にスイッチを入れて、NEATの高いヤセ体質に! ぜひ試してみてください。
(からだにいいこと2022年2月号より)
[ 監修者 ]
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