第2の心臓ふくらはぎを伸ばせば、リンパが流れてむくみ改善&下半身ヤセに
リンパや血液は重力の影響を受けて下半身にたまりがちに。上半身に戻すには、第2の心臓とも呼ばれるふくらはぎの筋肉を動かすことが重要です。運動不足で劣化したポンプ機能を活性化させてむくみを改善、下半身を引き締めるストレッチ方法をご紹介します。
目次
下半身の体液が巡ればヤセやすい体質に

リンパも血液も、重力の影響を受けています。下半身にたまりやすい一方、上半身へ戻るときはふくらはぎの筋肉を動かす必要があります。
「たまった体液が上半身に戻れば、むくみが改善すると同時に、下半身が引き締まります」と、パーソナルトレーナーの坂詰真二さん。ところが、運動不足で筋肉が硬くなると、ポンプ機能は劣化。余計な体液を送り返せず、むくみや下半身太りの原因になります。
「考案した『ふくらはぎストレッチ』でふくらはぎの緊張をほぐしてみて。体液が心臓へと送り返され、脚のむくみが改善します」続けていると、ふくらはぎの筋肉はどんどん柔軟に。リンパや血液が全身をしっかり循環し、余計な水分も老廃物もたまりにくいヤセ体質に。「ふくらはぎは“第2の心臓”。押し戻された体液は、体じゅうに栄養や新鮮な酸素を運びます。蓄積した疲れもやわらぎますよ」
「ふくらはぎストレッチ」で下半身がヤセやすくなる理由
ふくらはぎの筋肉を伸ばすと同時に、骨盤の傾きも整えられます。下半身全体をまとめて引き締めて。
しなやかな筋肉でスラッとした脚に
ふくらはぎには、体液を循環させる働きが。座りっぱなしでは流れが活性化しないので、刺激する習慣をつけて。

体液を流せずむくみが起こる
ふくらはぎの筋肉は、重力で下半身へ下りてきた体液を心臓へと送り返す“ポンプ”の役割。運動不足が続くと筋肉は柔軟性を失って体液を押し戻せず、むくみが生じます。
▶︎▶︎「ふくらはぎストレッチ」で体液を送り返してむくみ知らずの美脚に
ふくらはぎの筋肉がしなやかになると、ポンプがしっかり動くように。体液が上半身に戻りやすくなれば、余計な水分が減ってむくみが改善。スラッときれいな美脚に!
骨盤が整ってお腹・お尻もスリムに
座りっぱなしだと骨盤がゆがんでしまいます。正しい位置に戻せば、気になるお腹・お尻のラインもスッキリ整います。

傾いた骨盤が凸腹・タレ尻を作る
座りっぱなしの時間が長引くとお尻やもも裏の筋肉が硬くなり、骨盤が引っぱられて後ろに傾いた状態になります。体が重心のバランスを取ろうとして、ポッコリ腹やタレ尻に。
▶︎▶︎「ふくらはぎストレッチ」でゆがみが取れれば一気に細見え
こり固まったお尻ともも裏の筋肉がほぐれれば、骨盤の位置が整います。体の重心が戻ることで筋肉のゆがみが取れて、お腹やお尻のラインもキュッと引き締まります。
「ふくらはぎストレッチ」のやり方
(1)脚を前後に開いて立つ

足をそろえて立つ。つま先を正面に向け、右足を1歩前に出す。
<これはNG>

(2)前のひざを曲げる

右ひざを軽く曲げ、上半身を前に倒す。両手を右ひざの少し上にのせ、10秒キープ。
<効果アップ>

頭の後ろで手を組めばお尻ともも裏に効く!
このまま両手を後頭部で組めば、お腹やお尻やもも裏の筋肉を使うので代謝が上がり、さらに効果的! そのまま10秒キープしたら、左右を入れ替えて同様に。
(3)かかとを床につけ左ひざを曲げる

(2)の姿勢のまま、左ひざを軽く曲げる。かかとが床から浮かないよう注意し、10秒間キープ。左右を入れ替え、(1)~(3)を同様に行う。
<前からみると>

2つの筋肉に効くから引き締まる
ふくらはぎストレッチは、2カ所の筋肉を効率良く伸ばし、ふくらはぎの働きを底上げします。

【腓腹(ひふく)筋】立っているときのポンプ力アップ
やり方(2)で伸ばす「腓腹筋」は主に立っているときに下半身の体液を押し上げて、上半身へ戻す筋肉。ここがほぐれれば、立っている間のポンプ機能が向上します。
【ヒラメ筋】座っていてもリンパが巡る体に
やり方(3)では、腓腹筋の内側にある「ヒラメ筋」を伸ばします。座っているときのポンプ作用を担う筋肉なので、デスクワーク中などのむくみ防止に効果的です。
体液が一気に巡りむくみが改善
ストレッチの体勢を10秒キープすると筋肉が緊張し、血液とリンパの循環が一時停止。終えた瞬間に筋肉の緊張がやわらぎ、反動で体液の流れが大幅にアップ! むくみが取れ、ふくらはぎがスッキリ!
さらに下半身ヤセ体質になる3つの習慣
下半身ヤセのポイントは、巡りを良くすること。ちょっとした習慣を取り入れれば、どんどん代謝が上がってヤセ体質に!
1、「下りだけ階段」で筋力を上げる

階段を上がるのは疲れやすいですが、ラクに下りるだけでも下半身の筋肉はしっかり動き、ほど良い筋トレに。運動不足による筋肉の衰えを防ぎつつ、基礎代謝を上げられます。
2、「ぐっすり寝る」と体液の巡りがアップ

横になると重力の影響が減り、下半身の体液が心臓に戻りやすくなります。さらに睡眠中は副交感神経が優位になり、血管が広がって血流アップ。老廃物を回収します。
3、「貧乏ゆすり」でむくみを防止

行儀が悪いと思われがちな貧乏ゆすりですが、実はふくらはぎの筋肉をほぐす動き。自宅作業中など、人目が気にならない場所で積極的に行えば、血液もリンパも巡ってヤセやすくなります。
撮影/神尾典行 モデル/西秋愛菜
(からだにいいこと2021年12月号より)
[ 監修者 ]




















