
向井 理さん「“食”から体を作り、ハードな公演を魅せたい」|癒やされタイム
劇団☆新感線の45周年記念公演に出演中の向井 理さん。熱心なファンの多いこの劇団の舞台に、自身も楽しみながら挑んでいます。作品に真摯に向き合う姿勢を、フラットかつ穏やかに語ってくれました。
目次
向井 理さん

むかい おさむ
1982年2月7日生まれ、神奈川県出身。2006年俳優デビュー。代表作にNHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』(2010年)、映画『僕たちは世界を変えることができない。But,we wanna build a school in Cambodia.』(2011年)、『RANMARU 神の舌を持つ男』(2016年)など。2025年は映画『パリピ孔明 THE MOVIE』に主演のほか、藤子・F・不二雄 SF短編ドラマシリーズ シーズン3『ユメカゲロウ』に出演。
本番と稽古の前は十分にストレッチして準備
2025年に旗揚げ45周年を迎える「劇団☆新感線」の記念公演に出演する向井 理さん。新感線の公演には3回目の出演で「気づけばオリンピックのように4年ごとに出演している」そう。主宰・演出のいのうえひでのりさん曰く“準劇団員”なのだとか。
「認定いただいたのはうれしいですね。いのうえさんは僕を“りーくん”と呼ぶのですが、昨年出演する舞台を観に来てくださったときに『りーくんは舞台俳優だね』と言ってくださって。褒め言葉だと思っていますし、そう判断されたからまた呼んでいただけたのかな。今回の舞台に声をかけていただいたのは、2024年の始めくらいだったと思います。この舞台は劇団員のみなさんが総出演で、僕と小池栄子さんと早乙女太一くんが客演。3人とも初参加ではないので、劇団☆新感線がどういうものかはわかっています。劇団員のみなさんが大学サークルみたいな雰囲気でワイワイしているのを見ているのも楽しいし、どんどんでき上がっていく舞台を毎日観られるのはうれしいですね」
2017年と2021年のに出演した際は、「毎日が修行だった」思い出が。それは劇団☆新感線が特殊なスタイルを取っていることが大きいようです。
「刀を振り回しながら動くなど運動量が多いですし、変化の多い立ち回りも覚えなくてはならない、そしてセリフも膨大にある。開演前に“あの音楽”が鳴ると、『ああ、また戦いが始まるな』と。でも、劇団☆新感線の舞台の稽古は、演出のいのうえさんが実際に動いてやってみせてくれて、それをマネるというやり方なんです。先に“正解”を提示してくれるので、忠実にやればある程度の形はできます。あとは自分のコンディションを整えつつ細かい解釈を加えていく作業なので、実は精神的なプレッシャーは少ないんです」

劇団☆新感線の舞台は動きが多いのが特徴。体力作りや体調管理が大変なのではないかと思いきや、きちんと“緩める”時間を作っているようです。
「本番前も稽古前も、みんなでストレッチする時間が20分設けられています。僕はその時間よりも少し早く入って、ストレッチボールを使って筋肉を適度に緩めるようにしているんですよ。なので、劇団☆新感線の舞台に参加して、怪我をしたことなどは一度もありません」
そんな向井さんが今回の『爆烈忠臣蔵』で演じるのは、狂言作者の真狩天外(まがりてんがい)と、芝居を取り締まる幕府の役人・藤川采女(ふじかわうねめ)の二役。
「前作(2021年劇団☆新感線41周年興行 秋公演 いのうえ歌舞伎『狐晴明九尾狩』)では妖狐に憑りつかれたりして、結果的に4役、5役やっているような状態だったので、今回は2役なら負担が少ない。衣装も違いますし、切り替えはすぐできるんじゃないかなと。真狩天外は狂言作者で、ある意味物語を進行する役。そして藤川采女は役者たちを抑えつけている役。2つの役割は非常に明確です。真狩天外のセリフで『座付き作家の意地だ!』というのがあるのですが、劇団の座付き作家を40年やってきた中島かずきさんのプライドや意地、熱いメッセージを感じられました。そこに踊りや歌やお笑いを織り交ぜて、ちょっと照れ隠しをしているのかなと」
プレッシャーをバネに自分しかできないもの演じたい
YouTubeでも配信された制作発表では、脚本の中島かずきさん、演出のいのうえひでのりさん、主演の古田新太さんなどの劇団関係者が勢ぞろいして穏やかなムード。45周年の“おまつり”が盛大になることを予感させました。
「みなさん、楽しみながらやっていて気づいたら45年になっていたんじゃないかな。でもこれだけ続いて、お客さんもたくさん入って、毎回同じではダメだし新しいことをやらなきゃと感じているだろうし、ハードルは上がり続けているはず。今の時代、こんなに派手な衣装をつくって公演をするなんて、劇団☆新感線しかないですよ。“エンジン”となる劇団関係者を、僕ら客演は“車輪”としてうまく走らせればなと思っています」

そんな向井さんも2026年で、俳優生活20年。同じようにプレッシャーを感じていると話します。
「最初のころはオーディションに行っても落ちてばかりで、この仕事には向いていないと諦めかけたこともありました。仕事のオファーはいつなくなるかはわかりませんし、『俳優でずっとやっていける!』と感じたことは今までに一度もありません。なので、出演作品が新しく決まったら、喜びよりもプレッシャーのほうが大きいかもしれないです。今回も『前回を超えてくれるよね?』という期待も込めてオファーくださったはず。結果的に自分にしかできないものを演じられたらと思っています」
向井さんの3つの“ルーティン”

手作りの調味料や保存食
コロナ禍に、梅干しを漬けるようになったそう。添加物を入れずにつくった安心の保存食や調味料は家族にも好評です。
「『口に入れたものが体を作る』と思っているので、公演中はもちろんですが普段の食事から気をつけています。家にいる時間が長かったコロナ禍から梅干しを作るようになって、そこからみそや麺つゆも自分で作るようになりました。使った素材や過程が自分でわかるし、安心して食べられます」
行った場所の“地のもの”を堪能
公演で全国をまわるのは楽しみのひとつ。その土地の食べ物やお酒を楽しみます。
「『郷に入っては郷に従え』ということわざがありますが、食べ物はその土地ごとに培われてきた先人の知恵の結晶だと思うんです。日本だけでなく海外でも、できるだけ“地のもの”を食べて、飲むように。それが一番おいしいし、一番いい組み合わせだと感じています」
スポーツ観戦でストレス解消
大のサッカー好きで、先日は俳優仲間と久々にプレイを楽しみました。
「2024年に勝村政信さんと舞台『ウーマン・イン・ブラック』に出演したときに、稽古前にサッカーをやったんです。でも疲れすぎて、セリフを忘れたりしてダメでしたね(笑)。実際にプレイするには人数や場所も必要なので、会場で観戦するほうがストレス解消になります。両国国技館に相撲観戦も行きます。舞台もそうですが、生のものは迫力がある。スカッとしてストレスが解消されますね」
向井さんのサイン入りインスタント写真プレゼント!

下記アンケートにご回答かつご応募いただいた方の中から、抽選で1名さまに「向井 理さんサイン入りインスタント写真」をプレゼントします。2025年11月5日(水)23:59〆切です。当選者の発表は発送をもってかえさせていただき、抽選結果のお問い合わせには応じられませんのでご了承ください。
※営利・転売目的でのご利用は全面的にお断りします。発覚した場合は、直ちに当社の規約に応じた対応を取らせていただきます。
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【INFO】2025年劇団☆新感線45周年興行に出演中
2025年劇団☆新感線45周年興行・秋冬公演チャンピオンまつり いのうえ歌舞伎『爆烈忠臣蔵~桜吹雪THUNDERSTRUCK』

江戸時代を舞台に、歌舞伎の大名作『忠臣蔵』を上演するため、愚かしいほどに芝居作りに情熱を傾け、奔走する演劇人をコミカルに描いた躍動感あふれるストーリー。劇団☆新感線45周年興行となる豪華メンバーによる芝居合戦。
【作】中島かずき
【演出】いのうえひでのり
【出演】古田新太、橋本じゅん、高田聖子、粟根まこと、羽野晶紀、橋本さとし/小池栄子/早乙女太一/向井 理 ほか
【大阪公演】2025年10月9日~23日、フェスティバルホール
【東京公演】2025年11月9日~12月26日、新橋演舞場

2025年9月開幕!古田新太 橋本じゅん 高田聖子 粟根まこと 羽野晶紀 橋本さとし / 小池栄子 / 早乙女太一 / 向井理 作:中島かずき 演出:いのうえひでのり
https://www.vi-shinkansen.co.jp/bakuretsu45/
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撮影/天日恵美子 取材・文/山西裕美(ヒストリアル) スタイリスト/外山由香里 ヘアメイク/宮田靖士
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