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眠れない女性

【熱中症】夜になってから症状が悪化する!?夜間や睡眠中の注意点

夏の暑さが続くと心配になる熱中症。日中だけでなく、「夜になってから」「寝ている間に」症状が出ることもあるのをご存じですか? 油断しがちな夜間の熱中症の原因や症状・対策を知って、夏を元気に過ごしましょう。

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夜間や翌日に熱中症の症状が現れることがある

日中の暑い時間帯に活動した後、体内の水分や塩分が不足した状態が続くと、時間が経って夜間や翌日になってから症状が現れるケースが見られます。

暑いところで活動した日は、夜や翌日も体調の変化に気を配りましょう。

夜間や翌日に症状が出現する理由

こめかみをおさえる女性

日中の活動で失われた水分や塩分が十分に補われないまま時間が経過してしまうと、熱中症の症状が夜間や翌日に遅れて現れることがあります。

暑い環境で過ごしたり、たくさん汗をかいたりすると、体内の水分は一気に失われます。活動中は水分補給を意識している人が多いものの、活動が終わると熱中症に関する意識は薄れがちに。しかし、その後の水分や塩分の補給量が不十分だと、体内のバランスが崩れ、体温をうまく調節できなくなって熱がこもりやすくなるのです。

また、寝ている間にも私たちは無意識のうちに汗をかいています。水を飲むことができない睡眠中は、体内の水分は失われる一方です。この脱水も、夜間や翌日の症状出現につながることがあります。

さらに、冷房を使用せずに寝た場合、日中の日差しで蓄積した熱が壁などから室内へと伝わり、外気温以上に室温を上げてしまう可能性があります。これも、夜間の熱中症を引き起こす原因の1つだと考えられています。

夜や翌日に「熱中症のサイン」として見られる症状

眠れない女性

夜間に熱中症のサインとして現れる症状には、次のようなものがあります。

  • 体が熱っぽい、ほてりを感じる
  • めまい
  • 頭痛
  • 筋肉の軽いぴくつき
  • 倦怠感やだるさ
  • 吐き気

熱中症になると、体温調節機能がうまく働かなくなり、体に熱がこもって発熱することがあります。また、体内の水分や塩分が不足することで血流が悪くなり、脳に必要な酸素が十分に行き渡らなくなるために、頭痛や吐き気などの症状が見られることもあります。

こうした症状は、起きていれば気づけるものの、睡眠中にはなかなか気づくことができません。場合によっては「夜中に何度も目が覚めてしまう」「ぐっすり眠れない」といった睡眠トラブルが、熱中症と関連している場合も見られます。

日中に暑い環境で過ごした後にこうした症状が現れた場合は、「もしかして熱中症かも?」と、まずは疑いを持つことを忘れずに。

夜間に熱中症が疑われる場合の対応

体調不良の女性といたわる男性

夜間に自身や家族が熱中症かもしれないと気づいたら、落ち着いて適切な対処法をとることが大切です。早めの対応が症状の悪化を防ぎ、回復を早めることにつながります。

なお、夜間の熱中症の大半は、日中に受けた熱ダメージや脱水が時間差で表面化したもの。日中に「熱中症かも?」と思った際に適切な対処ができず、悪化してしまうケースが多いです。そのため、「昼間に暑い場所で過ごした後に涼しい場所でしっかりと水分を摂る」ということが何よりの対策につながります。

まずは熱中症の症状を確認

熱中症は、重症度によって取るべき対応が異なります。

夜間に見られる熱中症は、突然重症化するというよりは、昼間に熱中症になったり、体調がすぐれなかったりしたまま夜も暑い部屋で水分を十分摂らずに過ごしていることで、中等度から重症になる潜在的なリスクをはらんでいます。症状の分類と、基本的な対応について知っておきましょう。

【軽症】
めまい、ほてり、筋肉痛、筋肉の軽いぴくつき、足がつる
→自宅で応急処置を行い、様子を見ます。

【中等度の症状】
頭痛、吐き気、体がだるい、大量の汗をかいている
→まずは自宅で応急処置を行います。すぐに症状が改善しない場合、夜間対応が可能な医療機関を受診しましょう。

【重症】
体温が高い、呼びかけに反応しない、意識がない、水分補給ができない
→救急車を呼びましょう。到着するまでの間は、自宅で応急処置を行います。

自宅でできる応急処置

保冷剤、水、タオル

夜間に限らず、熱中症による症状が見られた場合は、まずは体を冷やすことが大切です。

冷房の効いた部屋で、服装をゆるめたり、体を横たえたりして楽な姿勢を取りましょう。保冷剤があればタオルなどに包み、首や脇の下、鼠径部などの太い血管に当てて体温を下げます。濡らしたタオルで体を拭き、扇風機などで風を送って体を冷やす方法もあります。

意識がはっきりしている場合は、スポーツドリンクや経口補水液を飲み、水分と塩分を補給します。吐き気があるときは一度にたくさん飲まず、スプーンやストローを使って、少量ずつゆっくりと飲むと良いでしょう。

救急車を呼ぶべき症状

夜間であっても、熱中症の症状が重い場合はすぐに救急車を呼ぶ必要があります。

  • 呼びかけに対する反応がおかしい
  • 意識がない
  • 全身のけいれんが見られる
  • 自分で水分を摂ることができない
  • 応急処置を行っても症状が改善しない

こうした症状は、重症のサインと考えられます。

日中に元気で過ごしており、涼しい部屋で過ごしている場合は、ここまで重症化するケースはそれほど見られません。

ただし、もし上記のような症状が見られた場合は、迷わず「119番」に電話し、熱中症の疑いがあることを伝えて、医療機関での処置を受けてください。また、救急車が到着するまでの間に、服をゆるめて体を冷やすなどの応急処置を行いましょう。

夜間や睡眠中の熱中症を防ぐための対策

夜間や睡眠中の熱中症を防ぐためには、日中の対策に加えて、寝る前や睡眠環境に気を配ることが重要です。少しの工夫で、快適かつ安全に夏を過ごすことができます。

寝る前に水分を補給する

水分をとる女性

寝ている間にも、私たちは汗や呼吸によって水分を失っています。特に暑い夜には、多いと500mlもの水分が体内から失われると言われるほどです。

睡眠中の脱水を防ぐために、寝る前にコップ1杯程度の水を飲むことを習慣にしましょう。「トイレに起きたくないから……」と考えず、むしろ尿意で起きたときも水分を補う機会だと捉えてみて。枕元にも水を置いておくと◎。

寝る前や夜に飲む水は、常温のものがおすすめです。冷たい水は交感神経を刺激するため、寝つきに影響してしまうことがあります。

水のほか、適度な塩分も補給できるスポーツドリンクや、水に少量の塩や砂糖を加えたものも役立ちます。ただし、カフェインを含む飲み物(コーヒーやお茶など)やアルコール類は利尿作用があるため、寝る前の摂取は避けること。

寝室を涼しく保つ

冷房、扇風機

夜間は日中よりも気温が下がるとはいえ、近年は25度を下回らない熱帯夜も増えてきました。また、窓を締め切って寝ると空気がこもり、外気温よりも室温のほうが高くなってしまうことは珍しくありません。

一般的に、人が快適に眠れる室温は26度以下・湿度は50~60%程度と言われています。エアコンを適切に活用し、寝ている間も室温が上がりすぎないように調整することが重要です。

電気代を気にしてエアコンの使用をためらったり、タイマーを短く設定したりすると、睡眠中に室温が上昇します。エアコンは、朝まで「つけっぱなし」がベストです。扇風機を併用して空気を循環させたり、通気性がよく汗をしっかり吸ってくれる寝具やパジャマを選んだりすることも、寝室を快適に保つのに役立ちます。

環境を整えることで睡眠の質が上がると、体の回復機能が高まります。体温調節機能が整うため、翌日以降の熱中症のリスクを下げることにも直結します。

日中に十分な食事と休息をとる

食事をとる女性

熱中症になりにくい体を作るためには、日頃からの体調管理も欠かせません。

暑い時期は知らず知らずのうちに体力が奪われがち。夏バテで食が細くなってしまう人も多いため、普段以上に食事のバランスに気を配る必要があります。バランスの取れた食事をしっかり摂れば、体に栄養を行き渡らせ、体力を維持することができます。

暑い日中に無理な活動を避け、適度に休憩をとることも、熱中症予防の大切なポイント。日中の過ごし方が夜間の熱中症リスクにも影響するため、活動と休息のバランスを意識しましょう。

暑さに体を慣らしていく

入浴する女性

熱中症を予防するためには、本格的な暑さが始まる前から体を暑さに慣らしておく「暑熱順化」が効果的。暑熱順化を行うと、体が徐々に暑さに対応できるようになり、汗をかきやすくなります。すると、体温が上昇しにくくなると考えられています。

気温が上がりきる前にウォーキングや軽いジョギングなどの適度な運動をしたり、シャワーだけでなく湯船につかって汗をかいたりすることで、暑熱順化を促すことができます。毎日少しずつでも良いので、汗をかく習慣を取り入れましょう。

ただし、すでに暑くなっている時期には、無理に屋外で運動を行う必要はありません。かえって熱中症の発症リスクを上げてしまうため、入浴で汗をかくほか、屋内で軽く体を動かすなどの習慣を取り入れてみて。

知っておきたい熱中症の知識

熱中症について正しい知識を持っておけば、予防や早期発見、適切な対処につながります。いざという時に慌てないためにも、基本的なことを知っておきましょう。

熱中症の初期症状って?

こめかみを抑える女性

熱中症の初期症状には、次のようなものがあります。

  • めまい・立ちくらみ
  • 筋肉のぴくつき、脚がつるなど
  • 大量の汗をかく

こうした症状は、体温が上昇し、体内の水分や塩分が不足し始めているサイン。軽い症状であっても見過ごさず、「体を十分に冷やす・水分と塩分を補給する・安静に過ごす」といった応急処置を行う必要があります。

応急処置を行っても回復しない場合や、水分をうまく飲めない際には、すみやかに医療機関を受診してください。

熱中症による頭痛の対処法は?

体調が悪い女性

頭痛は、熱中症では中等症(2度)で見られる症状とされています。原則として医療機関の受診が必要な症状です。

衣服をゆるめて体を冷やす、水分補給を行うといった対策を行うことで、脳への血流が改善し、頭痛が和らぐことが期待できます。すぐの改善が見られなかったり、吐き気などほかの症状を伴ったりする場合には、医療機関を受診してください。

熱中症による頭痛の場合は、まずは冷却と水分・塩分補給による改善を優先し、鎮痛剤を使う前に医療機関で相談するのが望ましいです。痛み止めに頼るのではなく、熱中症対策による症状の緩和を図りましょう。

熱中症からの回復にかかる期間は?

熱中症から回復するまでの期間は、症状の程度や個人の体調によって異なります。

軽症であれば、適切な応急処置を行うことで数時間以内に回復するケースが多いです。自身で「体調が回復した」と感じられており、普段通りの食事や水分補給を行える状態になったら、無理のない範囲でいつもと同じ生活を送って問題ないでしょう。

一方で、頭痛や吐き気、体がほてるといった中等症以上の症状が出た場合は、回復に数日かかることがあります。また、回復後も体調が完全に元に戻るまでに時間がかかったり、だるさや食欲不振といった症状が続いたりすることもあります。

もし翌日以降も症状が続く場合や、ぶり返してしまった場合は、医療機関を受診して相談することが大切です。

熱中症は次の日に発症することもある?

体調が悪い女性

暑い環境で過ごしたことで体内の水分や塩分が失われた状態が長く続くと、その影響が翌日に現れることもあります。特に、日中に大量の汗をかいたにも関わらず、十分に水分や塩分を補給しきれなかった場合には注意が必要です。

日中は特に症状がなくても、夜間や翌日に体調が悪くなることがあるため、暑かった日の翌日も油断せず、体調の変化に注意を払うようにしましょう。体調がすぐれない場合は、無理をせず安静にし、医療機関を受診してください。

夜間の熱中症に適切に対処するために

夜間の熱中症は、寝ている間に症状に気づくことが難しいものです。適切に対処するためには、まず「夜間にも熱中症が起こりうる」という認識を持つことが欠かせません。熱帯夜のほか、日中に暑い環境で過ごした日も注意が必要です。

もしも熱中症のサインと思われる症状が現れた場合、我慢したり様子を見すぎたりせず、すみやかに対処すること。涼しい場所で体を冷やす、水分と塩分を補給するなどの応急処置を行い、症状が改善しない場合は救急車を呼ぶ必要があります。

適切な知識を持ち、早めに行動することが、命を守ることにもつながります。熱帯夜が多い近年だからこそ、自身や家族の身を守る方法を覚えておいてくださいね。

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