
かかとのひび割れは内臓のSOS?原因からわかる体のサインとケア方法
「かかとのひび割れ、なぜ治らないんだろう」と感じたことはありますか? 実は、原因は乾燥だけでなく、内臓など、体の内側の不調が関係していることもあるのです。ひび割れの原因やケア方法を解説します。
目次
かかとのひび割れが起こる理由
かかとのひび割れは、さまざまな原因が組み合わさって起こることが多いです。なぜひび割れてしまうのか、その理由を知ることから始めましょう。
乾燥による水分不足
かかとがひび割れる原因として、まず挙げられるのが乾燥です。かかとの皮膚には皮脂腺が少ないため、肌のうるおいを保つための皮脂が分泌されにくく、乾燥しやすい特徴があります。特に空気が乾燥する冬場は、さらに水分が失われやすくなります。
乾燥が進むと、皮膚のターンオーバーが乱れて古い角質がたまり、厚く硬くなった角質が柔軟性を失い、ひび割れにつながってしまうのです。
圧迫や摩擦のダメージ

かかとは体重を支える場所で、常に圧力や摩擦の影響を受けています。特に、サイズの合わない靴や硬い素材の靴、ヒールの高い靴などは、かかとに余計な負担をかけ、角質を厚く硬くさせる原因に。
年齢を重ねるにつれて肌の柔軟性が低下することも、ひび割れのリスクを高めます。30代以降、肌の変化を感じる人も多いのではないでしょうか。サンダルなど素足で過ごす機会が多い時期も、かかとが直接刺激を受けやすく、注意が必要です。
靴や歩き方の影響
合わない靴や歩き方のクセも、かかとのひび割れに影響します。サイズの合わない靴や、かかとが固定されないサンダル・ミュールは、歩くたびに摩擦を生み、角質を厚くする原因に。
また、かかとに重心をかけすぎる歩き方は、特定の部位に負担を集中させ、ひび割れを起こしやすくなります。
足にフィットし、かかとをしっかりホールドする靴選びと、正しい歩き方を意識することが大切です。
姿勢や体重バランスの乱れ

姿勢の崩れや体重のかけ方の偏りも、かかとに大きな影響を与えます。体がゆがむと、かかとの一部に負担が集中しやすくなり、角質が厚くなったり、ひび割れが起こりやすくなったりすることがあります。
立っているとき、体重の約70%がかかとにかかるとも言われており、バランスの乱れはその負担をさらに増加させます。
普段の立ち方や歩き方を見直すこと、体のゆがみを整えることも、ひび割れの予防に効果的です。
内臓の不調

かかとのひび割れは、内臓の不調のサインとして現れていることもあります。
これは、足裏などにある「反射区」と呼ばれる部位が、全身の内臓や器官とつながっているとされているためです。
反射区を刺激すれば、対応する内臓も活性化し、体の不調を整えることができると考えられます。「足つぼ療法」のベースになっているのも反射区の理論です。
なかでもかかとは、子宮や卵巣といった女性にとって大切な部位と深く関係しているとされています。こうした臓器の機能が低下すると、血行不良や冷えを引き起こし、かかとに乾燥やひび割れとして影響が現れることがあります。
骨盤の歪みや体の冷え
骨盤の歪みは、かかとのひび割れにも影響を与える要因の1つです。
骨盤が傾いたりねじれたりしていると、体の重心が偏り、歩いたときや立っているときに体重が均等にかからなくなります。その結果、かかとの特定の部分に負担が集中しやすくなり、角質が厚くなったり、乾燥によるひび割れが起こりやすくなるのです。
さらに、骨盤周辺の歪みは血流の滞りや筋肉の緊張にもつながりやすく、体全体の巡りを悪化させる原因になります。特に下半身の血行が悪くなると、足先まで温かい血液が届きにくくなり、かかとの冷えや乾燥を招くことに。
代謝が落ちて肌のターンオーバーが乱れれば、古い角質が蓄積しやすくなり、ひび割れを繰り返してしまうこともあります。

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かかとの状態が示す体のサイン

かかとの状態をよく観察すると、体の内側に潜む不調に気づけることがあります。色、硬さ、左右差など、かかとが発するサインには、さまざまな体の状態が反映されているのです。実際に、それぞれの変化が示す体からのメッセージを見ていきましょう。
かかとがカサカサして白くなっている場合
かかとが白っぽく粉を吹いたようにカサついているときは、主に「乾燥」が原因です。
かかとの乾燥は、体全体のうるおいのバランスが乱れているサインかもしれません。かかとは乾燥が現れやすい“最前線”のような場所。ここがカサついているときは、肌全体も乾燥に傾きはじめている可能性があります。
乾燥が進むとターンオーバーが乱れ、古い角質が肌表面にとどまり、白く見えることも。これはひび割れの前兆でもあるため、早めの保湿ケアが大切です。
かかとの乾燥を放っておかずに、全身のスキンケアも見直すタイミングと考えるのが◎。入浴後の保湿習慣など、体全体の乾燥対策を意識してみましょう。
かかとがひび割れて硬くなっている場合

かかとがひび割れ、硬くなっているなら、靴が合っていなかったり骨盤が歪んでいたりするおそれがあります。
乾燥や外的刺激により角質が厚くなり、柔軟性を失っている状態です。体重による圧迫や靴との摩擦などが続くと、かかとを守ろうとして角質がどんどん分厚くなります。硬くなった角質はさらに乾燥しやすくなり、やがてひび割れへ。
加えて、骨盤の歪みなどで特定の部位に負荷がかかり続けると、その部分だけ角質が厚くなり、割れやすくなることもあります。
かかとが左右で状態が異なる場合
左右のかかとで状態に差があるときは、体の歪みや重心のかけ方に偏りがあるサインかもしれません。骨盤のズレや姿勢の癖によって、左右の足にかかる体重や衝撃が異なり、片側だけ角質が厚くなったり、ひび割れやすくなったりします。
靴の片側だけがすり減りやすい人は、歪んでいる傾向があるかもしれません。片方のかかとだけが硬い・黒っぽいなどの変化がある場合は、姿勢や歩き方を見直し、体のバランスを整えるケアを取り入れてみましょう。
かかとが赤い・紫がかっている場合

かかとが赤くなったり、紫がかったりして見える場合は、血行不良の可能性があります。冷えや長時間同じ姿勢でいることで血流が滞ると、足先まで温かい血液が届かず、皮膚の色がくすんで見えることがあります。
特に紫っぽい色は、血流の悪さが目に見えて表れているケース。血行不良は乾燥やターンオーバーの乱れにもつながるため、かかとのひび割れを悪化させることも。
体を温める習慣や軽い運動で、血流を促すことが大切です。
かかとが冷たい・冷えを感じる場合
かかとが冷たく感じられるときは、全身の血流が滞っており、特に女性特有の不調のサインとなっている可能性が高いです。
かかとは体の末端にあるため、血行が悪いと冷えやすくなります。冷えると血管が収縮し、かかとの皮膚に必要な栄養や水分が届きにくくなり、乾燥や角質の硬化、ひび割れを引き起こす原因になります。
特に女性は冷えを感じやすく、かかとの冷えが月経不順や便秘など、女性特有の不調と関連していることもあります。
かかとのひび割れを改善・予防するケア方法
かかとのひび割れは、日ごろの丁寧なケアと体の内側からのアプローチで改善や予防が期待できます。ここでは、具体的なケア方法を紹介します。
かかとケアの基本的なステップ

かかとのひび割れを改善・予防するには、毎日の基本的なケアが欠かせません。まずはお風呂でしっかり温めて、硬くなった角質をやわらかくしましょう。
40℃ほどのぬるめのお湯に、10〜15分浸かるのがおすすめ。湯船の中でボディタオルなどでやさしくマッサージするように洗うと、不要な角質の除去をサポートできます。ただし、強くこすりすぎると肌を傷めるため注意が必要です。
お風呂上がりには、水分が完全に乾く前に保湿剤を塗るのがポイント。かかと専用のクリームやワセリンをたっぷり塗って、乾燥から肌を守りましょう。保湿力を高めるためには、その上から綿素材の靴下を履いて寝るのも効果的です。
なお、化学繊維の靴下は乾燥を悪化させることがあるため、天然素材のものを選ぶのが良いでしょう。ケアを習慣にすれば、かかとのやわらかさを保ち、ひび割れを防ぐことにつながります。
骨盤周辺へのアプローチ

かかとのひび割れが、体の歪みや骨盤の冷えと関係している場合、骨盤まわりへのアプローチが有効です。骨盤周辺の血行を良くすることで、足先まで血液が巡りやすくなり、かかとの乾燥や冷えの改善が期待できます。
歪みを整えるためには、整体やカイロプラクティックなど専門家の施術を受けるのも1つの方法です。加えて、自宅でできる軽い運動やストレッチもおすすめ。骨盤をやさしく回す運動や、股関節をゆるめるストレッチは血流を促進するのに役立ちます。
長時間座りっぱなしになりがちな人は、こまめに立ち上がって体を動かすことも意識してみましょう。こうした取り組みは、かかとのケアだけでなく、全身のバランスを整える助けにもなります。

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足裏への刺激と内臓ケア

かかとのひび割れを改善するために足裏を刺激する場合は、ひび割れて痛む部分を避けながら、かかと周辺の反射区を意識すると効果的です。
かかとそのものは子宮や卵巣などの婦人科系臓器と関係するとされており、ひび割れや乾燥が気になる部分をやさしくマッサージすることで、骨盤内の血流改善やホルモンバランスの調整が期待できます。
また、かかとと土踏まずの境目付近には腎臓や膀胱、生殖器に対応する反射区があり、ここを刺激すると体内の水分代謝や冷えの改善に役立ちます。さらに、足裏の外側、小指側のラインは坐骨神経や下半身の血流にも関連。姿勢の偏りや冷えがかかとトラブルの原因になっている場合は、この部分のマッサージも効果的です。
マッサージはクリームやオイルを使って肌の摩擦を減らし、親指の腹や関節を使ってゆっくりと圧をかけるのがポイント。1カ所あたり10〜20秒、片足で3〜5分を目安に、入浴後など体が温まっているタイミングで行うとより効果的です。
足裏マッサージを継続することで、かかとのひび割れ改善だけでなく、体の内側からの血流や代謝も整いやすくなります。
食事や生活習慣で体の中から整える

かかとのひび割れは、体の内側の状態が肌に表れている場合もあります。そのため、食事や生活習慣を見直して、内側から整えることも改善・予防のカギになります。
バランスの取れた食事を心がけ、特に皮膚の健康を保つために欠かせないビタミンA・C・Eや、亜鉛などのミネラルを積極的に取り入れましょう。また、体を冷やす飲食物は避け、温かいものを選ぶのがおすすめ。さらに、質の良い睡眠をとることや、ストレスを溜め込まないことも意識して。
適度な運動も血行を促進し、代謝を高めるうえで効果的です。ウォーキングやストレッチなど、無理なく続けられる運動を取り入れることで、かかとの皮膚にも栄養が届きやすくなります。
こうした習慣の積み重ねは、かかとの健康だけでなく、全身のコンディション維持にもつながります。
自己ケアで改善しないときの対処法
セルフケアを続けてもかかとのひび割れが良くならない場合や、痛み・出血がある場合は、早めに医師に相談しましょう。皮膚科では原因を正確に診断し、それに合った治療を提案してくれます。
たとえば、水虫が原因でかかとに症状が出ている場合は、市販薬では改善が難しく、専門的な治療が必要になります。また、内臓の不調が関係している可能性がある場合は、皮膚以外の科の受診も視野に入れると良いでしょう。
かかとの状態だけでなく、全身の症状や生活背景も含めて相談することで、根本的な原因が明らかになることもあります。自己判断でケアを続けるより、プロのアドバイスを受けた方が、より効果的な改善につながる場合があります。
体のサインを見逃さないで

かかとのひび割れは、乾燥や外部からの刺激だけでなく、体の内側の不調や冷えや骨盤の歪み、内臓の不調などが関係していることがあります。かかとの状態は、体からの大切なサインかもしれません。
日々の丁寧な保湿ケアに加え、足裏の刺激や骨盤周りのケア、さらに食生活や生活習慣の見直しで、体の内側から整えることが改善や予防につながります。
セルフケアで改善が見られない場合は、医師などへの相談も検討しましょう。かかとからのサインに気づき、全身の健康にも目を向けたいですね。
[ 監修者 ]