
筋肉から分泌される“美肌ホルモン”で体の内側から肌老化ストップ!
筋肉の量は、若々しい肌作りに大きく影響します。筋肉から分泌される美肌ホルモン「マイオネクチン」が、シミの原因となるメラニン産生を抑制したり、肌の弾力を保ってシワを目立たなくしてくれます。筋トレで肌老化に歯止めをかけて!
目次
筋肉を使えば使うほど若々しい肌に変わる
シミが少なく、ハリのある肌は年齢を感じさせない美肌の条件。実は、筋肉量がシミやシワのできにくい肌作りに影響しています。
「年齢を重ねて紫外線を多く浴びていても、シミがない人がいる理由は、筋肉に関連する遺伝子。これがシミのできやすさに関係することがわかりました」と、化粧品メーカーで美肌研究に携わる錦織秀さん。
筋肉で作られる「マイオネクチン」という物質が血中に分泌されて肌に届くと、シミの原因となるメラニンの産生を抑制するとか。
「“美肌ホルモン”ともいえるこれらの物質はシミを抑制するだけでなく、肌の弾力を保ち、シワを目立たなくするなど、さまざまな美肌作用があります。筋肉量が多いほど、美肌ホルモンの分泌量が増加するのです。また、運動による筋肉への刺激そのものでも、美肌ホルモンの分泌が促進されます」
筋肉量が多い人ほどシミが少ないことが判明

筋肉量とシミの関係について、40代、50代の女性100人を調査。顔を撮影して肌状態を解析できる機械で、微細なシミまで計測しました。グラフの相対筋肉量は体重あたりの両脚と体幹の筋肉量の割合。調査より、筋肉量が多い人ほどシミの数が少ないことが確認されました。
ほほのシミ

写真はどちらも40代女性のほほ。同じ40代でも、筋肉量によって、シミの数や濃さが一目瞭然。筋肉が多い人に対して、筋肉が少ない人は肌色がくすんで老化が進んでいるように見える。
ほほのシワ

今度は筋肉量の違う40代女性の顔のシワを比較。筋肉が少ない人は、細かいシワが多くほうれい線も深いことが見てとれます。筋肉量は、肌の弾力性やたるみ、シワにも影響していることがわかります。
下半身の筋肉は加齢とともに減少する

18歳以上の日本人4003人を対象に行った調査によると、加齢によって体の多くを占める下半身の筋肉は大きく減少。女性の場合、20歳時と80歳時の減少率は29%でした。
何もしないままでは、筋肉量は減り、肌の老化も進みます。特に意識したいのは、全身の6~7割を占める下半身の筋肉です。次は、実際に下半身の筋肉を増やすトレーニング法をご紹介します。
美肌のための太もも筋トレの方法
各10回1セットで美肌ホルモンを分泌
太ももの裏側の筋肉を効果的に鍛え、下半身の筋肉量をアップ。勢いに任せるのではなく、正しい姿勢でゆっくり行いましょう。慣れてきたら回数を増やすと、美肌効果が高まります。ヒップアップや美脚も目指せますよ!
(1)背すじを伸ばして片脚を上げる

イスの背などに手を軽く置き、背すじを伸ばしてまっすぐ立つ。太ももが床と平行になるように、片脚を上げる。
(2)脚を後ろに蹴り上げる

脚をゆっくり後ろへ伸ばすようにし、背中が曲がらない程度の高さまで蹴り上げ、ゆっくりと(1)の姿勢に戻る。これを10回くり返す。反対の脚も同様に。
<これはNG>


上体が前に倒れたり、ひざを曲げたりすると、太ももの筋肉が使われません。
ご紹介した簡単な筋トレで、肌の老化に歯止めをかけて!
撮影/古谷利幸(F-REXon) モデル/MAO
(からだにいいこと2021年6月号より)
[ 監修者 ]