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リンパケアが人生の転機に。木村友泉さん|60歳を過ぎて今も旬

不調や加齢に悩んだとき、自分の体をセルフケアできれば大きな自信になる。そんな思いから独自のメソッドを伝えてきた木村友泉さん(65歳)。リンパケアとの出会いが今の人生につながりました。(からだにいいこと2025年2月号より)

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木村友泉さん/リンパケアトレーナー、薬剤師

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きむら ゆうみ
1959年、富山県生まれ。富山医科薬科大学(現・富山大学)薬学部卒。ドラッグストアや化粧品会社勤務、塾講師を経て、歯科医の佐藤青児氏が考案した「さとう式リンパケア」と出会い、インストラクターとしてセミナーや講習を担当。その後、佐藤氏の理論に独自の食事・運動理論を加えたオリジナルメソッドに発展させ、企業向けの講演やカルチャーセンターでリンパケア健康法の啓発活動に取り組む。著書に『一生使える若返りリンパケア』(三空出版)他。

子どものころの体験から人体や健康に関心を持つ

1回数分の簡単なケアを続けるだけで、肌のたるみやくすみが改善されたり、肩コリや冷えが軽減されたり、ボディラインが引き締まったりと、体の変化を確実に実感できる─。そんな独自のメソッドを紹介し、多くの女性たちから支持されているのが、リンパケアの専門家である木村友泉さんです。その効果は、65歳になった今も若々しく健康な体を保ち、「奇跡の60代」と呼ばれる木村さん自身が証明しています。

木村さんが48歳でリンパケアに出会うまでの人生は紆余曲折でした。幼いころに母親から誤った量の薬を与えられて鼻血が止まらなくなった経験から、「人間の体や薬について無知な大人になりたくない」と考え、大学の薬学部に進学。薬剤師の国家試験にも一発合格しました。卒業後は製薬会社の研究所への就職を目指しましたが、時代の壁が立ちはだかります。

「当時地方で就職するには、学業の優秀さより縁故が優先。しかも『女性はすぐに辞めるから』と門前払いされ、製薬会社への就職はあきらめざるを得ませんでした」

木村友泉さんが歩んだ奇跡

1977年(17歳)学業優秀で進学校へ大学は薬学部を選択

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富山県で生まれ育ち、高校は地元の進学校へ。学業にいそしむ一方、応援団で副団長を務めるなど充実した高校生活を送る。卒業後は前年に新設された富山医科薬科大学の薬学部に入学。写真は体育祭での1枚。

1983年(24歳)男性優位の時代で希望の研究職に就けず

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ドラッグストアで働いていたころ、化粧品会社が研究員を募集していると知り応募。採用試験に合格するが「研究員は男性のみ」と言われ、メイクアップのインストラクターとして働くことに。25歳で結婚退職。

1991年(32歳頃)夫の両親の希望で家業を担うことに

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結婚後は夫の実家が経営する塾で講師として働く。担当した生徒を全員受験に合格させるなど講師としての評判は高く、塾の売上増に貢献したが、売上は義母に管理された。写真は家族で旅行したハワイにて。

2000年(41歳)塾講師としてフル稼働自由のない生活が続く

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27歳で長男を出産後も、日曜も含めて毎日働き続ける。教え子に慕われ、それなりのやりがいはあったが、義父母によってお金だけでなく、日々の行動まで束縛されたため、このまま年老いて満足なのかと疑問を持つ。

2011年(52歳)リンパケアと出会い人生が大きく変化

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48歳で「さとう式リンパケア」と出会い、その効果を実感。離婚して上京し、リンパケアを広める活動を始める。50歳でテレビ出演した際の若々しさが評判となり、講演や著書を通じて多くの人にメソッドを伝授。

薬は決して万能ではないその気付きが人生の転機に

働く場所を求めてしがらみの多い地元を飛び出した木村さんは、名古屋のドラッグストアや化粧品会社での勤務を経て、25歳で結婚。夫の実家が経営する学習塾で働くことになります。2年後に長男が生まれた後も、毎日夜遅くまで塾で教え続ける多忙な日々。しかも稼いだお金はすべて同居する義母が管理し、自由に使えるお金はもらえなかったと言います。

「何よりつらかったのは、自分では息子に何も買ってやれないこと。私もずいぶん我慢しましたが、息子が高校生になるころには、さすがに限界が来てしまって。自由に使えるお金を得るには外へ働きに出るしかないと思い、薬剤師の仕事を見つけて、近くの薬局でパートとして働き始めたんです」

この行動が、やがて思いがけない転機へとつながります。きっかけは薬剤師として働くなかで、「薬では症状が改善しない人がいる」と気付いたことでした。

「たとえば片頭痛の薬を処方して、本人が正しく服用しても、薬が効かないケースがある。それで薬以外の対処法はないかと思い、いろいろと調べるうちに出会ったのが、『さとう式リンパケア』を考案した佐藤青児先生のホームページでした。当時の日本ではまだリンパという言葉も今ほど浸透していませんでしたが、科学的根拠に基づく理論がおもしろくて、理系出身の私は興味を引かれたんです」

いつでもどこでもできるリンパケアなら人を救える

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スラリとした手脚にピンと伸びた美しい姿勢、ハリのある肌にハツラツとした笑顔。どれをとっても65歳とは思えない若々しさ!

佐藤氏と連絡をとり、理論と施術を学んだ木村さんは、すぐにその効果を実感します。

「薬局に来る方にリンパケアを教えたら、薬が効かなかった人も頭痛が治ったり、血圧が下がったりしました。それを見て『この方法で救える人がいるのだ』と確信したんです。しかも特別な道具や機械は不要で、いつでもどこでも自分の手でセルフケアできる。当時発生した新潟県中越沖地震の被災地支援に行った人からも、『電気や薬の供給が止まった状況でも、木村さんが教えてくれたケアならできるので、現地での健康維持に役立った』と感謝されました」

さらには自分自身がリンパケアを実践するうちに、ウエストが引き締まって体のラインにメリハリがつくなど、見た目の変化が感じられるように。「当時40代後半だった私が10歳以上若く見られることが増えた」と振り返ります。

手応えを感じた木村さんは、リンパケアをより多くの人に伝えようと決意します。ちょうど息子が成人したこともあり、離婚して単身上京。夫の実家の束縛から解放された木村さんは、薬剤師の仕事を続けながら、佐藤氏の教えに独自の運動理論を加えたオリジナルメソッドを考案しました。

そして50歳のとき、縁あって出演したテレビ番組で「15歳若返った美魔女」として紹介されると、その健康美が大反響を呼び、多くの企業やカルチャーセンターから講演や講義の依頼が殺到。回り道を経てようやくたどり着いたリンパケアトレーナーという天職に、大きなやりがいを感じています。

「不調や病気は体からのSOSです。『疲れているから少し休みなさい』とか『ストレスがたまっていますよ』とメッセージを送ってくれている。その声に耳を傾け、必要なときに自分の体を自分でメンテナンスできれば、それだけで大きな自信になるし、どんなことも前向きに楽しめる。自分自身を慈しむことの大切さを伝えるのが、私の役目だと思っています」

大病を患ったことでリンパケアの力を再認識

木村さんもセルフケアを続けたおかげで、「更年期の症状もなかったし、65歳の今も趣味のゴルフをするときは、カートに乗らずに18ホールを歩いて回るほど元気よ」と笑顔を見せます。実は2年前に大きな病気を経験しましたが、これもリンパケアの力を改めて認識する機会になりました。

「幸い病巣は浅い部位にとどまっていたので、その部分だけを切り取って治療は終わり。転移もありませんでした。そのときに『これも体のケアを続けてきたおかげかな』と思えたんです。もちろん私のメソッドが重い病気の予防や症状緩和に効くと言いたいわけではありません。ただ私のなかで『人生で何があっても、セルフケアという処方箋があればなんとかなる』という自信と安心感は強まりました。だから私は、これからも自分のメソッドを広めていきたい。みなさんが健康への不安から解放され、人生を謳歌するお手伝いができたら、私も本当に幸せです」

ともに歩む大切なもの|義母から譲り受けたバッグ

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「離婚後しばらくして元夫の母が入院したと聞き、お見舞いに行くと『形見としてあなたにあげる』と、義母が大事にしていたバッグを渡されました。義母とはいろいろありましたが、彼女なりに私に感謝してくれていたのかなと思い、大切に使わせてもらっています」

人生を支える一言(本人直筆)

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「私が学んでいるアドラー心理学では『幸せになるには愛と勇気を持つこと』と説いています。私は自分自身や自分に関わるすべての人に愛を感じていますし、初めての出産で不安だったときや離婚を決めたときも、勇気を振り絞って乗り越えました。人生のどんな場面でも常に愛と勇気を持っていたい。それが私の信条です」

“木村メソッド”の基本は筋肉をゆるめること

木村さんのメソッドは「リンパを流す」のではなく「リンパが流れる体をつくる」ためのもの。「強いマッサージで無理にリンパを押し流すのではなく、筋肉をゆるめてリンパの自然な流れを取り戻すことが大事です」

取材・文/塚田有香 撮影/神尾典行
(からだにいいこと2025年2月号より)

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