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田中麗奈さん

田中麗奈さん「役作りのなかで、少ない時間を使ってリフレッシュ」| 癒やされタイム

透明感をキープする田中麗奈さんが、映画『星と月は天の穴』で演じたのは“娼婦”。役柄に寄り添って繊細な演技で挑んだ率直な気持ちに加え、自然体で過ごす日々の生活について語ってくれました。

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田中麗奈さん

田中麗奈さん

たなか れな
1980年5月22日生まれ、福岡県久留米市出身。1998年、映画『がんばっていきまっしょい』主演で俳優デビューし、同作品で第22回日本アカデミー賞新人俳優賞を始め、数々の映画賞を受賞。その後、映画、ドラマ、舞台などで活躍。2025年は『東京予報』、『雪風 YUKIKAZE』、『ストロベリームーン 余命半年の恋』、『ナイトフラワー』、『星と月は天の穴』などの5つの出演作品が劇場公開。2026年2月には『禍禍女』、4月には主演映画『黄金泥棒』の公開が控えている。

「このセリフを言いたい」という衝動に駆られた

2025年公開の映画に5本も出演した田中麗奈さん。年内最後の公開は、吉行淳之介の私小説とも言われる芸術選奨文部大臣賞受賞作『星と月は天の穴』の同名映像作品です。この作品の映画化が長年の念願だったという脚本・監督を担当した荒井晴彦さんとの仕事は、3度目となります。

「荒井さんが脚本を担当された『幼な子われらに生まれ』『福田村事件』でご一緒させていただいたのですが、荒井さんの書かれるセリフは日本語がとても美しいんです。並べた言葉から人間の香りがしてきて、役者は『このセリフを言いたい』という衝動に駆られるはず。そんなセリフを生み出す荒井さんが監督も担当される『星と月は天の穴』はきっと他にはない、魅力的な作品になるはずだと思っていました」

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物語の舞台は1969年。時代の空気や質感をスクリーンに転写したいという荒井監督の意図から、基本的にモノクロで撮影されています。田中さんは『星と月は天の穴』に出演が決まる前に、偶然にも過去はカラー、現在をモノクロで表現した荒井監督作品『花腐し(はなくたし)』(2023年)を鑑賞していました。

「『花腐し』という作品が本当に素敵で。“この世界観に入りたい”と思ったので、出演が決まったときはうれしかったですね。『星と月は天の穴』は純文学を読んでいるような映像。綾野 剛さんはこの作品を称して“珍味”とおっしゃったのですが、まさにそのとおり。この世界観を私は“荒井晴彦”という唯一無二のジャンルだと思っています」

50代、60代になって再び観るのが楽しみ

田中麗奈さん

田中さんの役どころは、綾野 剛さん演じる孤独な小説家・矢添克二のなじみの娼婦・千枝子。撮影期間中は“彼女”にのめり込み、現場以外でも日ごろから背景を考えて過ごしていました。

「なぜ娼婦をやっているのか、友だちはいるのか、休日は何をしているのか、自分のことを話せる相手はいるのか……。子どもを寝かしつけながら千枝子のことを考えていたんです。クラシック曲をランダムに流していたのですが、ドビュッシーの『月の光』が流れてきたとき、千枝子の心情がわかった気がして泣けてきちゃって。千枝子にとって矢添は、暗い夜の海を照らす月の光。千枝子は社会がどんなふうに動いているのかを矢添を通して見ていたし、大事な存在だったんだろうと思えました」

<R18+>の制限がかかった作品で、娼婦というチャレンジングな役柄。荒井監督は自由に演じさせてくれたと語ります。

「監督は『大切なことは脚本に書いてあるので、あとはお任せします。僕は撮影をします』というスタイルの方。細かく演出をつけるというよりは、脚本に書いてあることを体現し、それを撮るといったような感じです。一度だけ、初日のリハーサル後に私の控室に来てくださいました。『もう十分、娼婦に見えているから、“娼婦っぽくしよう”と思わなくていいよ』って。とても安心しましたね』

田中麗奈さん

娼館の中でしか会ったことのない、千枝子と矢添。ストーリー後半で、矢添は千枝子を「最後に」外に連れ出します。そのときの千枝子の何かを期待している子どものような笑顔と、2人が夜のブランコに乗りながらお互いのことを探り合うように語り合う様子は観る人を切なくさせます。

「あのシーンはブランコの鎖の握り方やお互いの立つ位置や距離感などを話し合って、綾野さんと作り上げたもの。千枝子のような思いを持つ女性が見たときにそっと寄り添えるような、そして観てくださった人にとって千枝子が忘れられない存在になったらいいなと思っています」

2025年11月は「伊参スタジオ映画祭」に参加。かつて主演した映画作品『はつ恋』(2000年)を20年ぶりに観賞し、衝撃を受けたとか。

「私が演じた聡夏に自分の娘を重ねたり、母親役を演じた原田美枝子さんに自分を重ねたり……。20年前とは全く違う視点で作品を観ている自分に気付いて、驚きました。同じ映画なのに時間が経って環境が変わると、ストーリーがすごく立体的に何次元にも見えた気がします。出会いも大事だけど、再会も素敵。経験があったからこそ、ひとつの物事がこんなにも深い視点で見られる経験をして、改めて生きていることに感謝しました。『星と月は天の穴』は映画が好きな人はもちろん、芸術として観てほしいですね。私にとっても50代、60代になって観るのが楽しみな出演作となりました」

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役に向き合う日々を過ごすなかで癒やしは、「何げない時間」だと、穏やかで優しい笑みを浮かべます。

「本を読んでいる時間に癒やされますね。あとはやっぱり、子どもと遊んでいるとき。子どもの笑顔が一番のエネルギーになって、これからもがんばろうと思えるんです」

田中さんの3つの“リラックス”

朝のルーティン

「1日のうちで一番元気」なのは、朝。大好きな時間にリラックスをしながら、日課をこなしています。

「朝起きたらまず窓を開けて空気を入れ替えて、お天気をチェック。自宅の庭にレモンの木があるのですが、緑だったレモンの実が黄色に変わっていく変化が嬉しかったりします。外の枯れ葉の掃き掃除が終わったら、お香やアロマを焚くのも日課です。香りはスペイン語で“聖なる木”を意味する、南米の香木『パロサント』が好きですね」

ながらストレッチとバスタイム

健康のために、ランニングやトレーニング、そして “ながら”ストレッチもしています。バスタイムも疲れを癒やす大好きな時間です。

「バスソルトを使うときも、塩そのものをちょっと入れて入るときもあります。少し熱めのお湯につかって、冷水を1分ずつ浴びるのを数回繰り返すと、ぐっすり眠れるんですよね。ゆるめのお湯にゆっくりつかる日もあります」

おかゆで胃腸の疲れをオフ

健康を気遣う日々の食事は和食が中心。自分と向き合いながら無理をしない生活をしています。

「胃腸を休めたいときは、おかゆを食べています。味つけはちょっとお塩を入れただけ。朝はおかゆにして、お昼は量を控えめ、夜はたんぱく質を多めに摂取するようにしています。でもストイックな食事ばかりしているわけではなく、おいしいチョコレートを食べることもありますよ。年齢とともに自分のご機嫌の取り方が上手になっていますから。おいしいものを食べるとか、ドラマを観てワクワクするとか、簡単なことでハッピーになれちゃうんです(笑)」

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【INFO】出演映画『星と月は天の穴』が12月19日より全国にて公開

ドラマ『星と月は天の穴』

妻に逃げられて以来10年、独身のまま40代を迎えた小説家の矢添克二(綾野 剛)は、心の穴を埋めるように娼婦の千枝子(田中麗奈)と時折軀を交えながらやり過ごす日々を送っていた。彼にはもう一つコンプレックスがあり、その葛藤を自身が執筆する小説の主人公A(綾野=二役)に投影していた。そんなある日、矢添は画廊で大学生の瀬川紀子(咲耶)と運命的に出会う。

【脚本・監督】荒井晴彦
【原作】吉行淳之介『星と月は天の穴』(講談社文芸文庫)
【出演】綾野 剛、咲耶、岬 あかり、吉岡睦雄、MINAMO、原 一雄、榎本 佑/宮下順子、田中麗奈

映画『星と月は天の穴』オフィシャルサイト
映画『星と月は天の穴』オフィシャルサイト

あなたは、軀と恋愛してるのよ――女を恐れながら、求めていた――妻に裏切られた男の滑稽で切ない愛と性の物語。出演:綾野剛 咲耶 岬あかり 吉岡睦雄 MINAMO 原一男 / 柄本佑 / 宮下順子 田中麗奈/脚本・監督:荒井晴彦/原作:吉行淳之介「星と月は天の穴」(講談社文芸文庫)

https://happinet-phantom.com/hoshitsuki_film/

撮影/楠本隆貴 取材・文/山西裕美(ヒストリアル) スタイリスト/岩田麻希 ヘアメイク/ナライユミ

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