私たちの健康づくりを大きく変えると注目の「マイクロバイオーム」。その研究で先端を走る韓国のバイオベンチャーを、からこと編集部が直撃！ 腸内細菌の解析でわかること、日本での展開など、気になるポイントをたっぷりお伝えします。

マイクロバイオームとは？

健康のカギを求めて 韓国のバイオベンチャーに突撃！

【一口メモ】「マイクロバイオーム」とは？

「マイクロバイオーム」は、私たちの体中にある微生物の集まりのこと。

腸の中にはさまざまな微生物＝腸内細菌がいて、健康に役立っていることはご存じですよね。この腸内細菌の集まりは「腸内フローラ」とか「腸内細菌叢」と呼ばれています。

同じように、肌や口の中、膣などにも、健康に役立つ微生物の集まりが存在しています。これらを総称して、マイクロバイオームと呼びます。

腸の微生物の集まりである腸内フローラとは、腸のマイクロバイオームのこと。世界的には、この呼び方がスタンダードになっています。

私たちの健康に役立つマイクロバイオームのことを、世界中の研究者が競って追究しています。その結果、多様な機能が明らかになり、健康づくりの新しいメソッドが続々と見つけられているのです。

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10万以上（※）の冷凍サンプルで正確な分析を追求

HEMファーマが集めた便のサンプルは10万以上で、世界でも最大級のサンプル数。写真の冷凍庫1台には、1万のサンプルが約－80℃で保管されています。

いろいろな病気や不調と腸内マイクロバイオームの関係を解明するには、多くのサンプルが必要です。そのため、ビッグデータを多数所持するHEMファーマでは、より詳細で正確な解析ができるのです。

※2025年9月現在

一人ひとりの腸内マイクロバイオームの働きを再現

PMAS解析のすぐれたところは、一人ひとりの腸内マイクロバイオームが、どんな働きをするかがわかるところ。

まず、培地に便を入れ均一にし、培養プレートにそれぞれ同一量ずつ分注します。次に、そのひとつひとつに、乳酸菌など腸内マイクロバイオームに関わる候補物質を加えて培養します。

その結果、生産される「ポストバイオティクス」（代謝産物）を分析すると「この腸に足りない腸内細菌はなにか」、「どんな食品成分を加えればよりよく働くようになるか」といったことがわかるのです。

この分析で重要なのは「マイクロバイオームが、腸の中にいると錯覚させること」と、チ・ヨセフ氏。そのため、機械でサンプルを細かく振り続けて、腸のぜん動運動を再現するといったプロセスも行います。

細部にわたる工夫の積み重ねが、安く・早く・手軽な腸内マイクロバイオームの分析を成功に導いているのです。

「DNA解析」で腸内細菌の種類を特定

腸内には、約1,000種類もの腸内細菌がすみついているとされています。実は、腸内細菌の形はみな似たようなもので、専門家が見てもすべての種類を特定することはできないのだとか。

そのため、それぞれの腸内マイクロバイオームが持っている腸内細菌の種類は「DNA解析」によって判断されます。

善玉菌は、代表的な「ビフィズス菌」と「ラクトバチルス（乳酸菌）」の数によって、腸内マイクロバイオームのバランスを分析します。 これらの過程を経て、私たちの腸内マイクロバイオームの状態が明らかにされるのです。

腸内マイクロバイオーム解析の結果発表！

ダイエットや美肌に関わる腸内細菌のことがわかる

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イラスト／j.curry　デザイン／大岡宏子