
美姿勢と呼吸で代謝を上げて、ムダ肉スッキリ&不調改善へ
姿勢と呼吸をほんの少し気をつけるだけで、いつもの動作が“生きているだけで筋トレ”に。体も心もどんどん健康になる「やせスイッチ」の入れ方をご紹介。不調も改善される習慣を早速はじめてみませんか?
目次
姿勢と呼吸の合わせ技でスリムと健康が手に入る

姿勢は健康の要となり、呼吸は生命をつかさどるもの。だからこそ、少し意識を向ければ体は変わります。
「生きるために必要な姿勢力、呼吸力を底上げする習慣を取り入れてみて。いつもの動作が“生きているだけで筋トレ”になれば、自然とムダ肉も消えていきます。姿勢が整うだけで若々しくスリムに見えるし、呼吸が深くなれば体も心も安定します」と、東京都立大学教授の北 一郎さん。
ポイントは深い呼吸を意識しながら、一定のリズムで軽い運動やストレッチなどを行うこと。
「呼吸や動作を一定のリズムで行うと、幸せホルモンと呼ばれる『セロトニン』が分泌されます。セロトニンには、自律神経を安定させる働きがあり、イライラや不安、過度な食欲などを抑制。さらに、セロトニンが脊髄(せきずい)にも分泌されて、運動神経を持続的に活性化させる効果も。姿勢を支える抗重力筋の緊張を高めて、美しい姿勢が維持できるようになります」
まずは美姿勢を体で覚える
体を支える“土台作り”が姿勢を美しく保ち、正しい呼吸法を身につける第一歩。背中が丸まっていれば必ず息は浅くなるので、まずは体を支える力をつけて。おすすめは、歌うこと。しっかり声を出そうとすると、体を支える筋肉が刺激されて活性化。背すじがシュッと伸びるように。
【やせスイッチON】思いっきり歌えば“姿勢筋トレ”に

歌うと、姿勢が整う「息を吐き切って、吸う」動作が繰り返されます。おすすめは、セロトニン分泌にも効果的で集中して歌えるバラードや演歌。1人カラオケが◎。声を出すのが難しい場合は、歌っているつもりでもOK。
意識的に呼吸して巡る体に
ストレスやマスク生活、加齢などで呼吸は浅くなりますが、意識して深く呼吸をすれば酸素や血液が体内を巡りはじめます。すると、内臓機能が高まり、セロトニン神経も活性化するなど、崩れていた体内のバランスが改善。食欲の抑制や代謝アップなどにもつながります。
【やせスイッチON】「リズム深呼吸」で内臓を動かす

鼻から4秒かけて深く息を吸い、6秒かけてゆっくりと口から息を吐くことを6回行って。呼吸に関わる「呼吸筋」は、意識的に動かせる筋肉。胸腔や腹腔と連動するので、大きく動かせば内臓もしっかり動くように。
すると生きてるだけでヤセやすい体に!

全身に酸素が行き渡り代謝が上がる
深い呼吸をすることで、血中の「ヘモグロビン」が細胞の隅々に酸素を供給します。エネルギーを生み出す細胞内の小器官「ミトコンドリア」が活性化し、代謝がアップしますよ。
血行が促進され痛み・不調を改善
交感神経が過度に緊張して血管が収縮した状態だと、肩コリや頭痛、冷えなどの原因に。副交感神経が優位になれば、血行が促進されると同時に筋肉の緊張がほぐれて、不快な症状が改善します。
内臓機能が活性化し、解毒作用がアップ
姿勢が整うことで圧迫されていた内臓が解放され、深い呼吸が腸や肝臓などを“マッサージ”。すると、酸素も血液も行き渡って活性化。デトックス力が高まり、便秘も改善します。
自律神経が整って気持ちが安定
自律神経の安定作用があるセロトニンは、うつ気分の改善やイライラの鎮静にも効果的。ストレスによるドカ食いも抑制できるうえ、毎日ご機嫌で過ごせるように!
まずは歌うだけで“やせスイッチ”を入れ、体も心もどんどん健康に!
撮影/神尾典行 モデル/土屋ひかる
(からだにいいこと2021年8月号より)
[ 監修者 ]