
行動や習慣を見直せばやせる体に!「姿勢に全集中」「美の呼吸」の奥義
姿勢と呼吸は、生きるための習慣。何げない動作に少し意識を向けるだけで“やせスイッチ”が入ります。無意識の行動を見直せば、生きてるだけでヤセる体に! ご紹介する習慣を取り入れてみて。
「生きるための習慣」を極めてヤセやすい体へ

「姿勢と呼吸は、生きるための習慣。何げない動作に少し意識を向けるだけで“やせスイッチ”が入ります」と、東京都立大学教授の北 一郎さん。
姿勢を維持する「抗重力筋」は下腿・大腿・腹部・胸部・首に張り巡らされています。抗重力筋は加齢や体を動かす機会の減少で退化するうえに、悪い姿勢を記憶。意識して姿勢を保たないと体のバランスは崩れます。
「筋肉は使いすぎると硬くなり、使わないと衰えるもの。少しでも姿勢に“全集中”する機会を作れば、徐々にバランスを取り戻します。全身の筋肉が効率良く使われれば体は引き締まり、たるみも改善します」
日常生活で意識的に呼吸をする機会はあまりありません。しかし、深く呼吸するだけで胸とお腹の境界にある「横隔膜」がしっかり動き、酸素や血液などが巡りやすくなります。
「呼吸は“美”の基本。横隔膜が動けば連動する深層筋や抗重力筋への刺激になるほか、腹腔内も動いて内臓のマッサージ効果もあります」内臓が活性化すれば毒素が排出されやすくなり、代謝がアップ。生きているだけで脂肪が燃える体に!
「姿勢に全集中」で脂肪燃焼力がUP

深い呼吸をするには、正しい姿勢を取り戻すことから。ヤセる体の準備が整います。
「美しい姿勢」を体感せよ!
人の体はしっかり呼吸をしようとすると、無意識のうちに背すじが伸びます。口から限界まで息を吐き切ったら、鼻から自然に息を吸い込んで。このときに地球の重力に対して姿勢を維持する「抗重力筋」や、横隔膜などの「呼吸筋」が使われ、もっとも美しい姿勢に!
【ココが変わる】“おさぼり筋”への刺激で代謝が上がる

正しい姿勢を意識すれば、さぼりがちな筋肉にも刺激が入ります。ハードな運動をしなくても美しい姿勢をとれば筋トレになり、代謝がアップ。美しい姿勢も“形状記憶”されていきます。
【ココが変わる】体の可動域が広がって消費カロリーが増える

使われる筋肉のバランスが取れると、硬くなった筋肉がしなやかになり、体の可動域が変化します。日常生活の動作が大きくなって消費カロリーも上がり、脂肪が燃焼されやすくなります。
「美の呼吸」で内臓を活性化

深い呼吸で体内の巡り力がアップ。体にも心にもやせグセがつきます。
「普段の呼吸」を自覚せよ!
息苦しいと無意識のうちに、気道の抵抗がなくラクに感じる口呼吸に。しかし口呼吸は浅く、呼吸に必要な筋肉の動きが最小限になります。まずは普段の呼吸を意識して。鼻呼吸で体内に酸素を巡らせつつ、呼吸に必要な筋肉をしっかり動かせば、内臓が元気になります。
呼吸チェック
下記に当てはまるものが多いほど、口呼吸が習慣化しているサインです。
- 唇が乾きやすい
- よくのどが渇く
- 食べているときに音を立ててしまう
- いびきをかく
- 起床時にのどが痛い
【ココが変わる】内臓が“マッサージ”され毒素を出せる体に!

呼吸が深まると、肺の下の横隔膜を柱とした「呼吸筋」が大きく動き、腹腔を圧縮。胃や肝臓、腸などに腹圧がかかり酸素や血液が行き渡って内臓が活性化。毒素が排出されやすくなります。
【ココが変わる】自律神経のバランスが取れて体のリズムが整う

呼吸を深くすることでセロトニン神経が活発化します。交感神経と副交感神経のバランスが取れて心身が安定して食べすぎ防止につながるほか、免疫力が上がるなどの効果も。
「姿勢に全集中」して「美の呼吸」を意識すれば、ヤセやすい体に変わり、体も心も元気いっぱいになりますよ!
撮影/神尾典行 モデル/土屋ひかる
(からだにいいこと2021年8月号より)
[ 監修者 ]