
心と体のSOSに気づいてラクになる。精神科医Tomyさんの「セルフ診察室」
精神科医のTomyさんが、生きづらさの正体と対処法をズバリ解説します! 自身が感じているストレスの要因を知れば、解決策が見えてくるはず。まずは「セルフ問診」で悩みの原因を言葉で“見える化”しましょう。
目次
悩みを言葉にすれば自分で解決策が見つけられる
漠然とした不安や、人には言えない心のモヤモヤ…。放っておくと「生きづらさ」の原因に。
「たいていの場合は、“自分はダメな人間だ”という思い込みに気づくことで、生きづらさを吹き飛ばすことができるもの。でも、生きづらさの原因が考え方の問題ではない可能性も。そんなときは、まず体を整えると気持ちが落ち着き、小さなことでクヨクヨ悩まなくなるわ」と、精神科医のTomyさん。ストレスも生きづらさの正体のひとつだとも。
「家庭内や職場でギスギスすることが増えた時、大切なのはお互い否定したり攻撃するのではなく、『この状況では仕方ない』と許すこと。それに、自分が何に対してストレスを感じているのかを自覚するのも大切です。そのためにも『セルフ問診』はおすすめの方法。“書き出す”という行動は、診察室で医師に話を聞いてもらうのと同じ効果があるわよ」
生きづらさの2つの正体
生きづらさの正体その1 「体調を整える」と心身がスッキリする

体調が悪いときは、物事をネガティブに考えてしまう傾向になりがちです。また、体が疲れていると、いくら気持ちを立て直そうとしてもラクになりません。そんな時は、食事と睡眠をしっかりとって体を休ませてあげてください。「散歩やストレッチなどをして、適度に体を動かしてあげると体も頭もスッキリするわよ」(Tomyさん)
生きづらさの正体その2 ストレスに効くのは「ナルヨウニ三姉妹」

先が見えない不安やストレス、生きづらさを感じる人へ。「むやみに先のことを考えて不安にならなくても大丈夫。『なるようになる』『なるようにしかならない』『なるようにする』の“ナルヨウニ三姉妹”をつぶやいて、気持ちをリセットして!」(Tomyさん)
生きづらさの正体その3 「自己肯定感を高める」とラクになる

自分と他人を比較して不安になったり、落ち込んだりしている人は“自分なりの幸せ”を見つけてみて。ありのままの自分を肯定すれば、気持ちはグッとラクに。「無理して気持ちを上げようと努力するのではなく、今の自分の好きなこと、自分のやりたいことに意識を向けて実行してみて。そうすれば他人と比べたり、先のことを考えて焦ったりする暇なんてなくなるわ。」(Tomyさん)
モヤモヤしたらセルフ問診もおすすめ

6つの問いかけに対して、具体的に紙に書き出してみて。悩みの原因を言葉で“見える化”しましょう。(2021年5月26日現在)
(1)だれが?
例:ママ友グループのメンバー、会社の上司
(2)いつ?
例:先週の火曜日の夕方、昨夜の残業中
(3)どこで?
例:子どもの学校で、オフィスで
(4)何を?
例:目の前で内緒話をされた、仕事を押し付けられた
(5)どのように?
例:気になって頭から離れない、ストレスを感じた
(6)なぜ?
例:仲間はずれになるのか不安になった、うまく断れなかった
セルフ問診は、生きづらさを解消する土台のようなもの。書き出すことで気持ちが整理され、自分自身を客観視できるように。自然と解決策が見えてくるわよ!
(からだにいいこと2021年8月号より)
[ 監修者 ]