赤・黄色・紫…3タイプ別「大人ニキビ」の色でわかる体質と対策|田中友也さん 季節の養生法
神戸にある漢方相談薬局「CoCo美漢方」田中友也さんが、“季節の養生法”をお届けする連載。今月は、「大人ニキビ」がテーマ。東洋医学からみた3つのタイプ別の原因と、肌を美しく保つ方法を紹介します。
目次
「大人ニキビ」ができる原因は?
突然あらわれる「大人ニキビ」。皮脂が多かった若い頃のニキビはTゾーンが多かったのに対し、大人になってからのニキビはフェイスラインや口元、あご下などにできやすいのが特徴です。
しかも、「根が深くて治りにくい」「跡や色素沈着が残ってしまう」「同じ場所に繰り返しできる」などと感じたことはありませんか?
その原因は、肌だけの問題ではありません。東洋医学で「皮膚は内臓の鏡」と言われ、内臓の働きと大きく関係しています。また、体を構成する大切な要素である「気・血・水」のバランスが乱れることも、肌のトラブルにつながります。
大人ニキビに多いのが、炎症のある「赤」、化膿している「黄色」、血流が悪く治りにくい「紫」の3色。これらの3タイプの原因を、東洋医学の視点からくわしく解説していきます。あなたの大人ニキビはどれに当てはまりますか?
食生活の乱れとストレスが原因の「赤ニキビ」タイプ
体にこもった余分な熱により、肌に炎症が起こるのが「赤ニキビ」タイプ。大きな原因は、乱れた食生活です。加工食品やお菓子、ファーストフードなど、おいしいけれど体に悪い食生活が続くと、熱が停滞し、赤い炎症のあるニキビとなってあらわれます。
女性は、排卵後から次の生理までの高温期は体に熱がこもりやすく、生理前に決まって赤いニキビができる人もいます。また、ストレスにより気(エネルギー)が滞ることも余分な熱を発生させる原因に。
赤ニキビタイプの肌トラブル以外の不調:イライラしやすい、目が充血している、口が渇く、便秘、コロコロ便、頭痛など
暴飲暴食が原因の「黄色ニキビ」タイプ
赤ニキビタイプよりもさらに食生活に問題があり、暴飲暴食が続くことで起こるのが「黄色ニキビ」タイプ。赤っぽい炎症と黄色い膿が同時に発生したようなニキビが特徴です。
脂っこいものや甘いものなどの食べ過ぎ、アルコールの飲み過ぎなど、胃腸に負担をかけ続けると、化膿したニキビとなってあらわれます。体に熱がこもり、さらに湿気と熱が合わさった「湿熱(しつねつ)」と言われる汚れが発生すると起こります。食生活の乱れが続き、赤ニキビから黄色ニキビに悪化するパターンも。
黄色ニキビタイプの肌トラブル以外の不調:イライラしやすい、暑がり、べちゃっとした便が出る、便や尿の臭いがきつい、黄色っぽいおりものが増える、口臭など

血の滞りが原因の「紫ニキビ」タイプ
血の巡りが悪く、老廃物がたまって起こるのが「紫ニキビ」タイプ。紫ニキビは、さわるとごろっとして固く、色は紫もしくは赤黒くて何日も治りにくいのが特徴です。治っても、ニキビ跡や色素沈着が残ることも。
本来、たっぷりの血がスムーズに体を巡っていることが健康の証ですが、冷えや運動不足、座りっぱなし、ストレスなどで血の巡りが滞る「瘀血(おけつ)」になると、体から排出されるべき老廃物が停滞。それが肌の奥のほうに、紫のニキビとなってあらわれます。
紫ニキビタイプの肌トラブル以外の不調:肩こり、首こり、頭痛、生理痛のほか婦人科系のトラブル、目の下のクマ、顔のくすみなど
3タイプ原因別「大人ニキビ」を改善する養生法
大人ニキビを改善・予防するには、原因を見極めることが大切。赤ニキビ・黄色ニキビ・紫ニキビの3つのタイプ別に、体の内側からキレイになる方法を紹介します。食事を含めた生活習慣を見直して、大人ニキビを予防し、トラブルの少ない肌を目指しましょう。
赤ニキビタイプ:食生活を整えてストレスをためない
赤ニキビタイプは、まず食事を見直しましょう。辛いものや脂っこいものを控えめにして、あっさりした味付けの食事を心がけます。生理前に赤ニキビができる人に多いのが、チョコレートの食べ過ぎ。チョコは熱を加速させるので、赤ニキビがある人にはおすすめしません。
また、ストレスによる気の滞りも熱をこもらせます。小さなストレスをため込まず、自分が心地よいと思う発散法でセルフケアをしましょう。
【食養生】赤ニキビタイプにおすすめの食べ物…緑豆(りょくとう)、ハトムギ、菊の花(菊花茶でも良い)、ゴーヤ、トマト、冬瓜、セロリ、ミントなど
黄色ニキビタイプ:暴飲暴食をやめて体を動かす習慣を
黄色ニキビタイプは、加工食品やインスタント食品、ファストフードなどを控えて、暴飲暴食をストップ。赤ニキビタイプと同じく、辛いものや脂っこい食事もほどほどに。せめてニキビの化膿が強いときは、食事に気を使いましょう。
熱にくわえ、余分な水分である「湿(しつ)」も混ざって停滞している状態なので、体を動かして巡りを改善することも重要。ウォーキングやジョギングなど、軽い運動で汗を流す習慣を。
【食養生】黄色ニキビタイプにおすすめの食べ物…ハトムギ、こんにゃく、春雨、小豆、緑豆(りょくとう)、もやし、冬瓜、白菜、ズッキーニなど
紫ニキビタイプ:体を冷やさずメンタルケアも大切に
紫ニキビタイプは、血が停滞して“ドロドロ血”になっています。巡りを改善するために、まずは体を冷やさないこと。寒い時期はマフラーや手袋で防寒するなど、冷えない服装を心がけます。
長時間のデスクワークの人は、1時間に1回は立ち上がって背伸びをする、運動不足を感じる人は、短い時間でも良いので散歩をするなど、体を動かして血流を促しましょう。
ストレスが多いと血の巡りが低下し、老廃物がたまりやすくなります。大人ニキビのない美肌のためには、日々の心のケアもお忘れなく。
【食養生】紫ニキビタイプにおすすめの食べ物…納豆、ブルーベリー、黒豆、小松菜、菜の花、パセリ、玉ねぎ、お酢、イワシ、アジなどの青魚、黒きくらげなど

「大人ニキビ」3タイプ共通:気・血・水を補う「睡眠」で肌力を回復
赤ニキビタイプ・黄色ニキビタイプ・紫ニキビタイプの全タイプに共通して大切なのが、睡眠です。肌はもちろん、体の細胞のすべては、寝ている間に修復されます。睡眠不足のままでは、いくらスキンケアをがんばっても大人ニキビは改善しません。
東洋医学的にも、睡眠は食事と同じくらい大切。質と量が伴った睡眠をとることで、不足した気・血・水を補い、バランスを整えます。大人ニキビができたら、まず早寝して肌本来が持つ自己回復力を高めましょう。
3タイプ別「大人ニキビ」の改善・予防に効果的なツボ
大人ニキビの改善・予防には、ツボ押しも効果的です。3タイプ別に紹介しますので、1日に数回、ツボ押しをして体質から改善していきましょう。
赤ニキビタイプに効果的なツボ:曲池(きょくち)

曲池(きょくち):ひじを曲げたときにできる、シワの外端にあるツボ。
押し方:反対側の手でひじを包み、親指でイタ気持ちいい強さでじんわり押します。
黄色ニキビタイプに効果的なツボ:豊隆(ほうりゅう)

豊隆(ほうりゅう):すねの外側。ひざと足首の中間にあり、外側の筋肉が一番盛り上がっている場所。
押し方:親指をツボに当て、ゆっくりと肌が沈み込む程度に押します。
紫ニキビタイプに効果的なツボ:三陰交(さんいんこう)

三陰交(さんいんこう):内くるぶしの頂点から指幅4本分上の場所。※妊婦の方は「三陰交」のツボ押しは避けましょう。
押し方:足首の内側をつかむようにして、親指の腹でじんわり気持ち良い強さで押します。
今月の養生ポイント:体の内側から整える“五臓のスキンケア”で美肌をキープ!
「皮膚は内臓の鏡」とお伝えしたように、内臓に負担をかける生活が続くと、大人ニキビはもちろん、シミやシワ、くすみ、肌荒れなど、肌トラブルに直結します。大人ニキビは若い頃のニキビより治りづらく、きれいになるまで時間がかかる場合があります。
市販の薬を塗ったり、スキンケアをがんばったりするのも良いですが、それらは一時しのぎにしかなりません。大人ニキビが繰り返しできやすい人は、肌の表面ではなく、体の内側でトラブルが起きています。
だからこそ、ニキビや吹き出物が気になるなら、内臓の健康にも目を向けてみてください。養生を取り入れた生活で、「五臓(肝〈かん〉・心〈しん〉・脾〈ひ=胃腸〉・肺〈はい〉・腎〈じん〉)」のスキンケアを始めていきましょう。内臓が整って美肌になってくると、心まで明るく前向きになるはずです。
取材・文/釼持陽子 イラスト/植松しんこ
















