
暮らしがちょっぴり豊かになる「生成AIとの付き合い方」
今話題の生成AI、日常生活で活用していますか? 実はレシピを考えたり、旅行プランを立てたりと、暮らしを便利で豊かにしてくれる存在になっています。AIと気軽に楽しく付き合うコツをご紹介します。
目次
生成AIがぐっと身近に

気づけば周りの誰かが使っている生成AI。昨今、ChatGPTやGeminiなど、一般消費者向けの生成AI製品が次々と登場しています。
総務省が公表した「令和7年版情報通信白書」によれば、日本の個人の生成AI利用率は26.7%と3割未満。中国(81.2%)や米国(68.8%)と比べると下回っているものの、徐々に普及が進みつつあります。SNSが生活に溶け込んでいったように、生成AIも日常的に活用される時代が近づいています。
なかでも、OpenAIが2022年に公開した対話形AIの「ChatGPT」の月間訪問者数は23億人に達し、世界中の人々にとって欠かせないツールとなっています。日本からChatGPTへのアクセス数は、世界3位と、今もなお利用者が増え続けています。次に日本で利用者が多いのは、Googleの「Gemini」。音声や画像を組み合わせて質問ができるのが特徴です。
これらの生成AIは、冷蔵庫に余った食材からレシピを提案したり、買い物の際におすすめの商品を教えてくれたりと、仕事の効率化だけでなく、暮らしのさまざまな場面で役立っています。
今すぐ活用してほしい!楽しくて便利な「ChatGPT」
ChatGPTやGeminiの名前は知っていても、「自分には関係ない」「なかなか活用できていない」と思っていませんか?
そこで今回は、1500本以上のAI関連記事を制作・編集してきた経験を持つ小澤健祐さんに、日常生活での生成AIの活用法について教えてもらいました。
まずは、ChatGPTの最新モデルを日常でどう活用できるのか、身近な例をご紹介します。
ChatGPTは自然言語処理によって高度な自動応答が可能で、まるで人間と対話しているかのようにスムーズに会話できます。ちょっとした日常の困りごとを相談することもでき、新たな視点や解決のヒントを得られます。
始めてみよう!まずは、ChatGPTを検索
スマホで利用する場合は、アプリストアを開いて「ChatGPT」を検索し、アプリをダウンロードします。PCの場合は、Googleなどで「ChatGPT」を検索し、ChatGPT公式サイトにアクセスします。
利用にはアカウント作成が必要ですが、アカウントを作成しなくても、テキストによる会話は使用可能です。
ログインをすると、テキストから画像を生成したり、画像をアップロードして解析したりと、幅広い機能を活用できます。
<スマホ画面の例>
※使用バージョンによって表示画面に違いがある可能性があります。

<パソコン画面の例>
※使用バージョンによって表示画面に違いがある可能性がります。

中央のテキストボックスに質問や指示(プロンプト)を入力し、「Enter」キーや、「↑」マークをクリックします。
「プロンプト」はAIへの“指示文”
「プロンプト」とは、AIに特定の指示を与えるためのテキスト入力のこと。たとえば、物件検索サイトで部屋を探すとき、間取りや予算といった条件を具体的に入力するように、AIにもプロンプトで目的や内容を整理して伝えることで、より自分の意図に沿った回答を得やすくなります。
どう質問するかによって、AIの回答は大きく変わるため、プロンプト次第でAIはぐっと便利になります。
<小澤さんおすすめのプロンプト>
基本的なプロンプトの書き方として、こちらの4つの要素を意識しましょう。要素を入れるときは、冒頭に記号を入れなくても問題ありませんが、「#」や「●」などを頭につけると強調されて見やすくなるのでおすすめです。
#指示
AIに何をしてほしいかを具体的に入力する。指示は必ず先頭に置きます。
#目的
「ヘルシーなレシピを知りたいため」「予算を節約したいため」など、出力結果を使用するシーンを指定 する。
#参照情報
要約したいテキストや解析する画像などを指定 する。
#出力形式
表形式、会話形式、箇条書きなど、内容に合った出力形式を指定する。
それでは、ChatGPTを使った活用例を3つご紹介します。
プロンプトをコピー&ペーストしたり、自分流にアレンジしたりして使ってみてください。暮らしがちょっぴり楽しく、そして便利になること間違いなしです!
【活用例1】冷蔵庫にある食材を伝えればレシピを教えてくれる
ChatGPTに冷蔵庫に入っている食材を伝えるだけで、買い物に行かなくても作れるレシピの提案をしてくれます。「買い足しをしたくない」「低カロリーで満足感を得たい」「塩分は控えめにしたい」など、目的に合わせて新しいレシピを教えてくれるのもうれしいポイント。
例えば、以下のプロンプトを入力します。
<プロンプト例>
#指示
提供する食材からレシピを作成してください
#目的
なるべく買い足しをせずに、満足感のあるレシピを作成するため
#残っている食材(=参照情報)
鶏肉、キャベツ、長ねぎ、小麦粉、各種調味料
#条件
健康に配慮したメニューにしてください(栄養バランスを重視、ダイエットのためカロリーを抑えたい)

▶︎「鶏肉とキャベツのふんわりネギ塩蒸し焼き」の分量と作り方だけでなく、栄養バランスのポイントやおすすめ副菜(もずく酢、冷ややっこ)の提案もしてくれます。さらに追加で「#指示」を出すのもこともできます。
<追加プロンプト例>
#指示
想定カロリーを教えてください。
#出力形式
箇条書き

▶︎プロンプトに「#出力形式」を指定すると、スッキリ整理された読みやすい文章で回答してくれます。カロリーはあくまで想定値なので、参考程度にしてください。
【活用例2】まるで旅行代理店!理想の旅行プランを提案してくれる
旅行のテーマや目的地、予算、期間などを具体的に入力することで、理想に近い旅行プランを提案してもらえます。旅行予約サイトやホテルをイチから調べる手間が省け、情報収集にかかる時間を大幅に短縮できます。
<プロンプト例>
#指示
次の情報に基づいて快適な旅行ブランを提案してください
#目的
なるべく費用を抑えながら、快適で楽しい旅行を過ごすため
#出発地
東京
#目的地
北海道
#時期
10月
#時期
3日間
#参加者
大人2人
#予算
12万円(航空券などの交通費、宿泊費含む)
#条件
現地の自然を満喫したい、グルメを楽しみたい


▶︎プロンプトを一度入力するだけで、航空券の料金や、空港から市内への電車移動の経路、おすすめのホテルまで瞬時に提示してくれます。航空券のサイトを確認したり、電車の時間を検索したりといった手間が省けて、効率よく旅行のスケジュールを立てることができます。
さらに、旅行先の気候や環境に合わせたコーディネートも教えてもらいましょう。
<追加プロンプト例>
#指示
旅行先に行くための服装案をテキストで生成してください
#目的地
北海道
#時期
10月
#性別
女性
#身長
160㎝
#体型
普通
#条件
スカートは履かない


▶︎すると、その日の現地の天気予報や目的に合った服装の提案をしてくれます。迷いがちな旅の服装選びも、ChatGPTならラクに解決。 コーデがイメージしやすくなり、旅のワクワク感もアップします。目的地や時期、体型などに加えて、プロンプトに「#条件」を具体的に入れることで、より自分好みの回答を得られます。
【活用例3】ゆるく続けるダイエットプラン
運動が苦手な人のダイエットプランにも、AIは大活躍。ライフスタイルや時間の制約を考慮し、食事改善や生活習慣の見直しを組み込んだ、無理のないプランを立てられます。たとえば「週1回の好きなものDAYを設定してストレスを避ける」といった、優しいアドバイスがついてくるのも心強いポイント。
<プロンプト例>
#指示
以下の目標について具体的な達成計画を立ててください
#目標
3カ月で5kg減量する
#条件
平日9-18まで仕事
料理が苦手
運動する時間がない
#出力形式
カレンダー形式

▶︎体型の悩みなども相談できるので、自分専用のパーソナルトレーナーのように活用してみましょう。スキマ時間にできる簡単なストレッチを教えてもらえば、無理なく取り入れられておすすめです。
AIは暮らしを豊かにする“新しい相棒”

生成AIは、私たちの話を上手に聞き、質問に答えたりアイデアを出してくる“人間の思考を拡張”するツール。ただし、AIの提案は、必ずしも正確な情報とは限りませんので、すべて鵜呑みにせず、常に自分の考えを持ち、事実かどうかを突き詰める姿勢も大切です。
今後はLINEでの返信作成など、生成AIがさまざまなアプリに組み込まれ、私たちが意識せずに利用できる環境になっていく可能性もあります。
ChatGPTに抵抗がある方も、興味を持ったらぜひ一度試してみてください。効率よく便利なことはもちろん、自然な会話を楽しむうちに、知りたいことがわかったり、心が満たされたりと、ひらめいたりと、暮らしはもっと豊かになります。これからも“新しい相棒”として、AIと付き合っていきましょう。
[ 監修者 ]