
美容皮膚科医がアドバイス「そのシミ・シワはセルフケアでなんとかできます」
年齢と共に増えるシミとシワをセルフケアでなんとかすることができるかも!? 高級化粧品や医療に頼らないシミ・シワのケア方法を美容皮膚科医が伝授します。もう消せないと諦める前に、まずは試してみてください。
目次
肌をむやみに刺激しない「ほどほどケア」がおすすめ

「適切なケアをすれば、自分でシミやシワを薄くできる可能性があります」と美容皮膚科医の中村光伸さん。「シミの原因として無意識にやりがちなのが“摩擦”。洗顔時などに顔をこすりすぎると、肌を刺激から守ろうとメラニンが作られます。ターンオーバーが低下する年代では、過剰に産生されたメラニンを排出しきれず、シミになってしまうのです」
つまり、肌に刺激を与えず生活習慣を改善すれば、今あるシミをきれいにすることはできるということ?
「実際、“肌にいい生活をしたらシミが薄くなった”という論文もあります。同時に、まだ見えない“潜在シミ”を作らせないことも重要。抗酸化成分を含む食品で内側からケアを」
一方、シワの改善には衰えた表情筋を鍛え、皮膚の“くせジワ”を伸ばすストレッチなどが効果的だそう。「たるみやシワは骨の萎縮によっても起こるので、骨を刺激する運動や骨にいい食事が有効。ストレッチやマッサージは肌を傷めない“ほどほど”の強さと回数で行いましょう」
基本の「シワのばし」習慣
シワがないと一気に顔が若返ります!
まめに動いて骨を刺激する

土台の骨格がしっかりしていればシワは防げます。骨を健康に保つには、適度な刺激を与えることが大切です。まめに歩く、階段を使うなどで骨を刺激して。
笑ったり歌ったりして表情筋を使う

表情筋が衰えて縮むとシワの原因に。大きく口を開いて笑ったり歌ったりして、元気な筋肉を育てて。筋肉のコリを改善するストレッチやマッサージも有効。
顔のストレッチで脂肪たるみを撃退

加齢とともに顔の脂肪が萎縮して垂れ下がれば、たるみの発生につながります。予防にはストレッチやリンパ流しを。溜まった脂肪を顔~首のリンパ管へ流すだけでもスッキリ。
よく寝て、よく食べて肌のハリを維持

目元や口元のちりめんジワは、乾燥や紫外線で皮膚がダメージを受けた状態。バランスの良い食事と十分な睡眠をとって肌弾力をアップさせれば、シワ知らずのハリ肌に。
セルフケアで「なんとかなる」シミとは?
シミがないと透明感がぐんとアップ。セルフケアで対策して。
【日光性色素斑】紫外線の蓄積でできるはっきりと濃いシミ

主に紫外線が原因でできるくっきり濃いシミ。紫外線対策のほか、メラニンの合成を防ぐ「コウジ酸」を含む麹や、「エラグ酸」が豊富ないちごなどを食べることがケアに。
【肝斑】モヤモヤと左右対称に広がるシミ

目の下や頬骨に左右対称にモヤモヤと広がるシミ。妊娠・出産や更年期などに一時的に増えることも。「日光性色素斑」と同様、食生活に気をつけ生活リズムを整えることが大切。
【炎症後色素沈着】ニキビやかぶれで増えたメラニンが定着

やけどやニキビ跡、かぶれなどによりメラニンが増えてシミに。炎症部位はなるべく触らず跡を作らないように。マスクの摩擦も原因になるので、日ごとに種類を変えると◎。
セルフケアでは改善が難しいシミ
そばかす
そばかすは、頬や下まぶた、こめかみなどに小さく斑点状に出ます。幼少期からあるのが特徴。先天性なので、セルフケアでは消せません。
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
目の下から頬にかけてできる茶色~青色がかったシミ。真皮層にメラニン色素が沈着することで発生。医療でしか治せないといわれています。
撮影/古谷利幸(F-REXon) モデル/高田有紗
(からだにいいこと2021年8月号より)
[ 監修者 ]