
毎日のスクワットで効果的にダイエット!正しいやり方&メニュー
自宅で手軽にできるスクワットは、人気のダイエット方法の1つ。毎日続ければ、基礎代謝の向上や下半身の引き締めなどが期待できます。スクワットの効果や正しいやり方、継続のためのヒントなどを解説します。
目次
スクワットダイエットで得られる効果
“キング・オブ・トレーニング”とも呼ばれるスクワット。その名の通り、さまざまな効果が期待できる優秀なエクササイズです。ダイエットをはじめ、健康的な体づくりや美容面にもうれしい影響を与えてくれます。
スクワットをするとなぜ痩せるのか、まずはその理由を見ていきましょう。
基礎代謝が上がる
スクワットは、下半身の大きな筋肉を一気に鍛えられる動きです。
全身の筋肉のうち、約6〜7割は下半身に集中していると言われています。下半身の筋肉をしっかり鍛えれば、筋肉量を効率よく増やすことができ、基礎代謝の向上につながります。
基礎代謝が上がれば、特別な運動をしなくても、日常生活の中で消費するカロリーが増加。太りにくく痩せやすい体質へと近づきます。
下半身が引き締まる

スクワットで鍛えられる下半身の筋肉は、太ももの前側(大腿四頭筋)や後ろ側(ハムストリングス)、お尻(大臀筋)など。続けていると脚やお尻に適度に筋肉がつき、たるみやすい下半身がキュッと引き締まります。
特に効果を感じやすいのは、太ももやお尻。スクワットだけでムキムキになることは考えにくいですが、筋肉量が増えるにつれて徐々に引き締まり、理想のボディラインに近づいていくのを実感できるでしょう。
基本的なスクワットを行うだけでなく、アレンジを加えたスクワットを取り入れれば、痩せたい部位をよりピンポイントに引き締めることもできます。
運動習慣が定着しやすい
スクワットは、ジムなどに行かなくても、自宅で気軽に始められる筋トレの1つ。自分自身の体重を利用して行う「自重トレーニング」なので、特別な器具や広いスペースがなくても、思い立ったときにすぐ行えるのが特徴です。
そのため、運動が苦手な女性やダイエット初心者でも始めやすいのは大きな魅力。毎日少しずつ続けることで運動へのハードルが下がり、自然と習慣化しやすくなります。
血流アップして冷えが改善する

下半身の筋肉のなかでも、特にふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれ、ポンプのように動いて血液を心臓へと送り戻しています。
スクワットを続けていると、ふくらはぎにも適度な筋肉をつけることが可能。すると血行が促され、全身の血流がスムーズになります。血液が末端までしっかり行きわたり、冷え性の改善につながる可能性大です。
血流が良くなると、ダイエットのほかにも疲労回復やむくみ・コリの改善といった効果も期待できます。

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基本的なスクワットのフォームとポイント
スクワットでしっかりとダイエット効果を得るためには、正しいフォームで行うことが重要です。間違った姿勢で続けてしまうと、ひざや腰を痛める原因にもなってしまいます。
もっとも基本となるスクワットのやり方は、次のとおりです。
基本のスクワットのやり方

- 肩幅よりもやや広めに脚を開いて立ち、つま先を少しだけ外側に向ける。背すじはまっすぐ伸ばす。腕は前で組むか、まっすぐ伸ばしてもOK。
- 股関節を曲げ、お尻を突き出すようなイメージでゆっくりと腰を落とす。ひざがつま先よりも前に出ないように注意。
- 太ももが床と平行になる位置まで腰を落としたら、顔を上げ、背すじが曲がらないように胸を張って3秒間キープする。
- ひざを軽く曲げた状態までゆっくりと立ち上がる。
安全に、そして効果的に取り組むために気をつけたいポイントをいくつか解説します。
ひざの角度に気をつける

基本のスクワットでは、腰を落としたときに「太ももが床と平行になるくらいまで下げる」のが目安。ひざの角度は約90度になるよう意識しましょう。
また、ひざがつま先よりも前に出ないように注意するのは大切なポイント。ひざが内側に入り込むと、関節への負担が大きくなってしまいます。
ダイエット目的のはずが、ケガをしてしまっては本末転倒です。お尻を後ろに突き出すようなイメージで動けばひざへの負担が少なく、太ももやお尻といった下半身の筋肉をしっかり使うことができるので、意識してみて。
スクワットの適切な回数と頻度
スクワットの回数の一般的な目安としては、10回を1セットとして2〜3セット。ただし、自身の体調や運動能力を踏まえ、取り組みやすい回数や頻度で行うのがベストです。
運動に慣れていない人や体力に自信がない人は、5回×3セットからスタートして、徐々に回数を増やしていくのがおすすめ。無理をして回数を増やすと、筋肉痛が強く出たり、思わぬケガにつながったりするリスクがあります。体の声に耳を傾けつつ、無理のない範囲で続けましょう。
器具を使わず自身の体重を用いて行うスクワットは、毎日行ってもOK。コツコツと続けていくことで、徐々に効果を実感できるでしょう。
ただし、頑張りすぎは禁物。運動習慣がなく「10回行うのがギリギリ」という人は、毎日行うのではなく、休養日を設けて1日おきに行ったほうがダイエットに効果的な場合もあります。できる範囲で取り組んでみて。
様々な種類のスクワットとメニュー

スクワットにはいくつかのバリエーションがあり、それぞれ鍛えられる筋肉の部位や負荷のかかり方が異なります。ダイエットの目的に合わせて種類を組み合わせれば、下半身をよりバランスよく引き締めることができます。
下半身に焦点を当てたスクワット
まずは、下半身全体、特に太ももやお尻のダイエットに効果的なスクワットを紹介します。
太ももに効果的なスクワット
太ももが痩せることを目指すなら、「ワイドスクワット」がおすすめ。脚を肩幅よりも広く開き、つま先を外側に向けて行うスクワットです。
基本のスクワットよりも、内ももの「内転筋」をしっかりと鍛えられるのがワイドスクワットの特徴。骨盤位置の矯正にも効果があると考えられます。
ただし、姿勢が少し不安定になるため、ふらつきや転倒のリスクがあります。慣れるまでは脚幅を調整しつつ、無理のない範囲で行いましょう。
<ワイドスクワットのやり方>

- 両脚をできるだけ大きく(肩幅の1.5倍程度)広げて立ち、ひざとつま先は外側に向ける。腕は体の前で組む。
- 股関節を曲げ、お尻を突き出すようなイメージでゆっくりと腰を落とす。ひざが内側に入らないよう注意する。
- お尻がひざの高さになるまで腰を落としたら、ゆっくりと腰を持ち上げ、ひざがほんの少し曲がった状態まで立ち上がる。
「内ももに効いてる!」という感覚があればOK。基本のスクワットと同様に、ひざはつま先よりも前に出さないのがポイントです。
脚全体を引き締めるスクワット
脚全体をバランスよく引き締めたい人には、基本のスクワットのほか、「スプリットスクワット」がおすすめ。前後に脚を開いて行うスクワットで、片脚ずつにしっかり負荷をかけられるほか、ヒップアップ効果も期待できます。
<スプリットスクワットのやり方>

- 脚を肩幅に開いて立ち、片脚を前へと1歩踏み出す。腕は体の前で組む。
- 股関節を曲げ、ゆっくりと腰を落とす。前脚に負荷が集中しないよう、上半身を前後の脚の中心に落とすイメージで行う。
- 太ももが床と平行になる位置まで腰を落としたら、ひざを軽く曲げた状態までゆっくりと立ち上がる。
前方に意識を集中させすぎると、背すじが丸まり、効果が半減してしまいます。目線は前に向けることを心がけて。
ヒップアップにおすすめのスクワット
ヒップラインを整えたいときにも、スクワットはおすすめ。なかでも片脚を後ろの台や椅子に乗せて行う「ブルガリアンスクワット」は、大臀筋への刺激を高められるトレーニングで、反り腰の改善も期待できます。
<ブルガリアンスクワットのやり方>

- 脚を肩幅に開いて立ち、片脚を前へと1歩踏み出す。前足のつま先は正面に向ける。後ろ足はつま先を椅子などに乗せ、片脚立ちの状態になる。腕は体の前で組む。
- 股関節とひざを曲げながら、ゆっくりと腰を落とす。上体はまっすぐにキープし、背中が曲がらないよう注意する。
- 前脚のひざが90度まで曲がったら、股関節とひざをゆっくりと伸ばし、元の姿勢に戻る。
お尻をしっかりと意識しながら行うことで、ヒップアップに近づきやすくなりますよ。
腹筋を刺激するスクワット

正しいフォームでスクワットを行うと、腹筋や背筋、体幹の筋肉を自然と使うことになります。これにより、お腹まわりのムダ肉も自然と引き締まっていくと考えられます。
お腹痩せを目指したいなら、基本のスクワットを行うとき、腕を前に伸ばした状態で行うのがおすすめ。バランスを取る必要があるため、腹筋への刺激がより高まります。
また、スクワットの間は常に腹筋に力を込め、全身が安定するよう意識して。このやり方なら下半身を鍛えつつ、ウエストまわりへのダイエット効果も期待できます。
運動初心者向けのスクワット
スクワットが初めてであったり、体力に不安があったりする場合は、まずは椅子を使った簡単なスクワットから始めてみるのがおすすめ。フォームが安定しやすく、無理なく取り組めます。
あるいは、基本のスクワットよりも浅く、ひざを45度程度しか曲げない「クォータースクワット」を行うと、ひざや腰への負担を最小限に留めることができます。
<椅子を使ったスクワットのやり方>

- 椅子の前に立ち、肩幅くらいに脚を開いたら、背すじを伸ばしてまっすぐ立つ。腕は前で組むか、まっすぐ伸ばしてもOK。
- 股関節を曲げ、お尻を突き出すようなイメージでゆっくりと腰を落とす。ひざがつま先よりも前に出ないように注意。
- お尻が椅子につかないギリギリの高さまで腰を落としたら、ひざを軽く曲げた状態までゆっくりと立ち上がる。
椅子は、座ったときにひざが90度に曲がる高さのものがベスト。はじめは無理なくこなせる回数からスタートし、徐々に増やしていきましょう。
毎日スクワットを行うときの注意点
スクワットは、毎日行ってもダイエット効果を得やすいトレーニングの1つ。ただし、安全かつ効果的に続けるためには、いくつかのポイントを押さえておきましょう。
関節を痛めないためのポイント
スクワットのフォームが間違っていると、ひざや足首などの関節に思わぬダメージを与えてしまうリスクがあります。
特に注意したいのは、ひざがつま先より前に出ないようにすること。お尻を後ろに突き出すようなイメージで腰を下ろすと、自然と正しいフォームに近づけます。また、つま先とひざの向きをそろえれば、関節にかかる負担を軽減できます。
関節に痛みを感じた場合、無理に続けるのはNG。椅子を使ったスクワットに切り替えたり、浅くしゃがむにとどめたりして、体にやさしい方法を取り入れましょう。
筋肉痛への対処法

スクワットを始めたばかりの時期や、回数などの負荷を上げたときに、筋肉痛が起こる場合があります。
筋肉痛は、筋肉が育つ過程で生じる炎症反応ではないかと考えられています。痛みがあるときは筋肉が修復している最中であり、このときに負荷をかけすぎると修復が遅れてしまう場合があります。そのため、筋肉痛が強いときには無理をせず休みましょう。
筋肉痛をやわらげるためには、運動後にストレッチで筋肉をほぐすこと、湯船につかって血流を促すことが効果的です。さらに、十分な栄養補給や睡眠も、筋肉の回復をサポートしてくれます。
筋肉痛がある日は、別の部位を鍛えるトレーニングを行ったり、ウォーキングなどの有酸素運動に切り替えたりするのも一手。つらくならない範囲でダイエットを続けられるよう、工夫してみましょう。
追い込みすぎず無理のない範囲で行う
筋肉はトレーニングによって刺激された後、休息することで成長します。「早く効果を出したい」と思って、無理に回数を増やしたり、過度なトレーニングを毎日行ったりするのは禁物。ケガをするリスクが上がったり、筋肉痛などから続けるのが困難になったりしてしまいます。
体調やコンディションを見つつ、可能なペースで続けることが、結果的にダイエットを成功させるコツです。

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バリエーションを加える
スクワットは単純な運動だけに、毎日続けていると飽きがきてモチベーションが下がることもあるかもしれません。
そんなときは、さまざまな種類のスクワットを日替わりで取り入れたメニューを組んでみて。部位ごとに異なる刺激が加わるため、全身をバランスよく引き締めることができます。楽しく続けるための工夫としてもおすすめです。
「30日スクワットチャレンジ」に挑戦!

スクワットダイエットを続けるにあたり、モチベーションを保ちたい人におすすめなのが、「30日スクワットチャレンジ」。30日と明確な期間を決め、集中的にスクワットに取り組むことで、全身のシェイプアップを図る方法です。今日からさっそく始めてみて!
30日チャレンジのルール
30日スクワットチャレンジの基本ルールは、毎日決められた回数のスクワットを行うだけ。
たとえば、初日は30回や50回のスクワットを目標とします(何回でも、自分のできる範囲で決定してOKです)。一度に行うのが難しいなら、朝晩やすきま時間など、やりやすいタイミングに分けて取り組んでも大丈夫。毎日少しずつ回数を増やしていき、30日間の継続を目指しましょう。もちろん、筋肉痛を感じる日は休んで構いません。
自分自身で回数を設定して行っても良いですし、スマートフォンのアプリで回数を設定してくれるものもあるので、やりやすい方法で取り組みましょう。
30日チャレンジのメリット
30日スクワットチャレンジの最大の魅力は、毎日の習慣として取り入れやすいこと。期間が定まっておりゴールが見えるため、自然と運動を習慣化できるきっかけになります。また、30日後に自身の体と改めて向き合えば、太ももやお尻など下半身の引き締まりも実感できて達成感を得られるでしょう。
このチャレンジからスクワットを日常に取り入れられれば、30日後には体の変化だけでなく、運動を続ける自信も手に入っているはずです。
スクワットを継続するためのヒント

スクワットでダイエット効果を得るためには、何よりも続けることが大切。まず無理のない目標を立て、日々の回数や取り組みを記録してみましょう。アプリやカレンダーを使うと、楽しみながら続けられます。時間が取れない日には、テレビを見ながら、歯磨きをしながらといった“ながら運動”もおすすめです。
このほか、家族や友人と一緒に取り組めば、お互いに励まし合えてモチベーションも維持しやすくなります。少しずつ体に現れる変化を実感できるようになると、「また明日も頑張ろう」という気持ちにつながりますよ。
まとめ
基礎代謝の向上や下半身の引き締め、血行促進など、さまざまなダイエット効果を持つスクワット。健康促進にも役立つため、ぜひ日常に取り入れてほしいトレーニングの1つです。
その効果を最大限に引き出す秘訣は、正しいフォームを守ること。特にひざの角度やつま先の向きに注意して、自分に合った回数や頻度で無理なく続けましょう。
さまざまな種類のスクワットを組み合わせたり、30日チャレンジを活用したりしながら、飽きずに楽しく習慣化すれば、いつの間にか引き締まったボディラインが手に入っているはずです。
[ 監修者 ]