
「ゆる股関節ストレッチ」で慢性的な腰痛、ぽっこり下腹を改善
身体の柔軟性を左右するのは、歳よりも股関節の状態次第。簡単なストレッチで股関節を正しく動かすことができれば、腰痛知らずに。また、お腹が出にくくなるにも理由があります。今すぐチェックして!
目次
加齢による体の硬さが腰痛やぽっこりお腹の一因

からだにいいことアンバサダー176名に「年齢とともに体が硬い、関節が動かしにくい、痛いなどと感じたことがありますか?」と聞ききました。すると、約8割が「時々ある」「ある」と回答。柔軟性の低下に悩む声が多数寄せられました。
<アンバサダーの声>
●「昔は体が柔らかく、開脚も余裕だったのですが、気づけば股関節が硬くなってしまい、ストレッチで足を開くだけで痛いです」(K・Yさん/43歳)
●「数ヵ月前から五十肩になってしまい、着替える時やちょっとした動作で痛みを感じるようになりました」(K・Tさん/54歳)
●「開脚ストレッチ時に時々ひっかかりや痛みを感じます」(Y・Rさん/56歳)
●「腰は慢性的に痛く動かしにくく、起床時や運転中、同じ姿勢からの次への行動時、しばらく慣れるまでが痛いです」(M・Cさん/52歳)
【アンケート】気になる関節の部位を教えてください。
また、「気になる関節の部位を教えて」と聞いたところ、答えの1位は「首・肩」、2位は「股関節」。首・肩の次に股関節に違和感があり、しゃがむ、立ち座りのときに動かしにくい、前屈や開脚などのストレッチがやりにくいといった悩みが目立ちました。

股関節を使って腰痛予防、お腹を引き締める
「年齢とともに関節の動きが小さくなり柔軟性が低下しやすい傾向にありますが、体が硬くなるのを避けられないわけではありません。そこで、柔軟性アップの鍵を握るのが、体内にある260個以上の関節のなかで一番大きい関節の股関節です」と、パーソナルトレーナーの柴 雅仁さん。
「股関節が硬いと開脚ができないだけでなく、腰を痛めやすくなったりします。腰痛が続くと体を動かすのが苦手となり、ますます腰や股関節が硬くなる悪循環に陥ります」
股関節の筋肉をあまり使わないことにより、太っていないのにお腹だけぽっこり出る原因にもなるとも。
「股関節をしっかり動かせるようになると、お腹を内側から支える大腰筋(だいようきん)や腸骨筋(ちょうこつきん)といった腸腰筋(ちょうようきん)も連動して働くようになります。これらの筋肉は骨盤を安定させ、正しい姿勢の維持を助けるため、体幹の安定性が高まり、結果的にお腹まわりの引き締めにもつながることが期待できます」
やってみよう!体の柔軟性テスト
次の4種類のテストでは、背骨や肩甲骨まわり、股関節の柔軟性をみることができます。痛みのない範囲で行うようにしましょう。
からだにいいことアンバサダーにもチェックしてもらい、何パーセントの人ができたかを付記しましたので参考にしてください。
テスト1:前屈できますか?(はい:61%)

真っ直ぐに立ち、ひざを伸ばしたまま、前屈して指先を床につける。 またはつま先をタッチ。
「股関節と背骨の柔軟性を見ることができるテストで、前屈ができない原因は、裏ももやお尻の筋肉が硬くなっている場合がほとんど。股関節と背骨をゆるめると今までより前屈がやりやすくなります」
テスト2:腰を反らして後ろの壁が見えますか?(はい:42%)

壁に背を向け、壁から2歩分離れて両足を肩幅に開いて立ち、両腕を真っ直ぐ上げる。ゆっくり腰を反らし指先を後ろの壁にタッチしながら、壁が見えるかどうかチェック。
「体を反らすときは腰だけでなく股関節も使いながら背骨全体を反らすことがポイント。後屈が苦手な場合は、股関節の前側や腹筋が硬い可能性があります」
テスト3:背中で手が組めますか?(はい:60%)

右腕を上げて背中で左手と握手をする。今度は左腕を上げて背中で右手と握手をする。指先が触れるだけでもOK。
「これは肩関節と肩甲骨の硬さが関係していますが、できなくても問題ありません。左右均等かどうかは確認しておきましょう」
テスト4:脚を90°開けられますか?(はい:40%)

脚を前に伸ばして床に座る。背すじを伸ばしてひざは上向きにし、両脚を開く。
「開脚のカギとなるのは股関節の動き。日常生活を送るうえでは、痛みなく90°開脚できれば十分なので、それ以上無理に開く必要はありません」
約2割の人は「どれもできない」
アンケートの結果、4種類のテストをすべてクリアできている人が多くいる反面、19%の人が「どれもできない」と回答。前屈して指先が床につかない、脚が90°開かなかったら、体が硬い可能性が高いので、下記に紹介する股関節と背骨のストレッチを取り入れてみて!
<ゆる背骨ストレッチ>についてはこちらの記事をご覧ください。

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股関節のこわばりをゆるめて正しい位置から動かす

股関節は脚の付け根にある球状の関節で、鼠径部(そけいぶ)の奥にあり、“コマネチライン”の真ん中にあたります。奥にあることや大転子(だいてんし)と間違われることも多いので、股関節の正しい位置を認識することが大切です。
股関節が正しい位置からズレて硬くなっていると、大転子が張り出して、太ももが横に張っているように見えたり、脚のラインが崩れ下半身が太って見える原因にもなります。
重だるい下半身をスッキリ!「ゆる股関節ストレッチ」
股関節のこわばりをゆるめて、正しい位置に戻すためのストレッチをご紹介。姿勢を保つことも、脚を動かすことも楽になります。また、腰のだるさをリセットし、血流アップで下半身のむくみもスッキリ! ぎっくり腰や腰痛の予防にもおすすめです。
「ゆる股関節ストレッチ」のやり方
1.股関節を触る

脚を腰幅に開いて立ち、ひざの力を軽く抜く。両手で鼠蹊部の真ん中(股関節)を触る。外側から触る感覚が伝わることでより動きやすく。
2.腰を曲げる

背すじを伸ばした状態で腰を曲げ、お尻を後ろに引く。つま先とひざは同じ方向を向いた状態をキープ。
3.腰を元の位置に戻す

裏ももが伸びを感じたら、ゆっくりと元の位置に戻す。2~3を10回繰り返す。途中で腰を丸めたり、あごが上がらないように気をつけて。
★「股関節ストレッチ」のやり方はこちらの動画でも確認できます。
股関節ストレッチはダイエット成功のカギ!

ストレッチ自体には脂肪燃焼効果があるとは言えませんが、しかし、「ヤセたい」「体を引き締めたい」と思うなら、いきなりハードな運動ではなく、関節を意識したストレッチからはじめるのが近道です。
前屈や開脚など、下半身のストレッチで特に重要なのが股関節。股関節が動くようになるだけで、歩く、座る、走るといった日常動作がスムーズにできるようになり、自然と運動量が増えます。
すると、筋肉の活性化や血行促進につながり、ダイエット効果を期待できます。憧れのペタ腹&スッキリとした美脚に近づくための大きな一歩。汗をかかない関節ストレッチは、暑い時季にもおすすめです!
イラスト/徳丸ゆう

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