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不安な今こそ覚えておきたい「国は間違うことがある」|ホームドクター(4)

普段なかなか知ることのできない医師の素顔に迫る連載の第4回。今回は、メディアなどで積極的に情報発信を行う上 昌広先生です。

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「からだにいいことホームドクター」とは?
「この健康法は自分に合っているのかな」「どうしてこんな不調が起きるんだろう」など、自分ではわからないけれど病院に行くほどではない“セルフケア以上、診療未満”のお悩みを、各科の名医と一緒に解決していく、健康応援プロジェクトです。

育った環境に影響され 「なんとなく」医学の道へ

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上 昌広先生

――医師を目指したきっかけは?

上先生 雰囲気に流されただけです(笑)。小学生のとき、先生に勧められて灘中学校に行きました。灘は成績がいい子が東大理IIIを受ける雰囲気で。母方の祖父が医師だったこともあり、特別深い考えがないまま、なんとなく理III・医学部へと進みました。内科を選んだのも、みんなが内科を選ぶからというだけの理由。東大で最初にできた科が内科だから、内科が偉いという空気がありました。

――「なんとなく」で東大に入って医師になれるものなのですか。

上先生 受けた教育のシステムが良かったんですね。システムが良いと誰でもなんとなく進んでいけるんです。でも自分で考えないから伸びない。私の場合は40代半ばを過ぎてからようやく頭が整理されて、自分の頭で考えるようになりました。

――自分の頭で考えられるようになるにはどうしたらいいのでしょうか。

上先生 そもそも「考える」というのは1人でできることではありません。人というのは、親や友人、地域の影響を受けてできている。それが教育です。たとえば、私は大学で剣道部に入ったのですが、当時はOBに戦争経験者がいて、こう言われたんです。「国家は間違うことはあまりない。しかし間違うときは決定的で、誰にも止められないんだ」と。国は間違う、と先輩が言い続けた。それが私の考え方に結びついています。

患者のために働く医師が勧める「正しい情報」の見つけ方

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鹿児島・精矛(くわしほこ)神社の宮司である島津義秀さんと。
島津さんは剣術・野太刀自顕流の使い手で、上先生にも指導をしています。仙巌園にて撮影。

――上先生は、国に対してもはっきりものを言う「戦うドクター」というイメージですが。

上先生 アホだから言わんでもいいことを言ってしまうだけです(笑)。政府からお金も役職ももらっていないので言える、という面もありますね。医師の仕事とは「患者のためにベストを尽くすと神に誓う」ことなのですね。その対価は患者さんからもらうので、極端なことを言ってしまえば、患者さんさえ良ければいい。サラリーマンと違って雇い主の 顔色を見なくてもいいので、医師は動きやすい。ありがたい仕事です。

――世の中にはあやしい医療情報が出回っていますが、医師の目から見て、一般人はどこから情報を得ればいいのでしょうか。 

上先生 CNNやロイターなど、 海外メディアから情報を入手するこ とをおすすめします。日本のメディアではまだ報道していない情報が手に入りますよ。英語がわからなくても大丈夫です。記事は日本語訳がありますし、最近はネットで自動翻訳もできます。日本のワイドショーだけではなく、グローバルな情報に触れてみてください。 

ドクターズアドバイス

イザというとき頼りになるのはITに強い「かかりつけ医」

上先生 イザというとき、たとえば介護中の親の容体が急変したときなどに頼りになるのは“かかりつけ医”です。力量のある医師を選んでください。専門外の症状であれば、ほかの医師を紹介してくれるような人です。すぐに連絡がとれることが大事で、レスポンスが遅い人や、スマホやPCが使いこなせない人は避けたほうが無難です。

協力/メディコレ
(からだにいいこと2021年10月号より)

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