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キュン死に一生アニメ第7回

泣けるアニメで、気持ちよくストレス発散!『四月は君の嘘』│キュン死に一生アニメ第7回

食事や運動だけでなく心にも栄養を! ストレス発散必至の涙腺崩壊アニメをご紹介するこのコーナー。第7回は、ピアニストの少年とヴァイオリニストの少女のせつなくも美しい恋を描いた『四月は君の嘘』です。

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ピアノの音が聴こえなくなった天才ピアニスト

主人公の有馬公生(ありまこうせい)は14歳の中学3年生。彼には3年前から世界がモノクロームに見えています。

3年前の秋まで、公生は音楽教室を営んでいた母親の早希のもと、世界的なピアニストとなることを目指して数々の有名コンクールで優勝を重ねていました。

しかし、体が悪かった早希は11歳の息子を残して早世します。その直後のヨ―ロッパ進出を賭けたコンクールで、公生は演奏中に突如としてピアノの音が聴こえなくなり、以来、クラシックの世界から身を引いたのでした。

四月は君の嘘
子どもの頃から、天才的なピアノ技術を持つ公生だったが……。

かつては、そのあまりに正確無比な演奏ぶりから「ヒューマンメトロノーム」「譜面の奴隷」と揶揄されることもあった公生。けれど、その演奏は聴く者を虜にさせる何かがありました。

ピアニストを目指すライバルの中学生たちのなかには、いまも姿を消した公生の背中を追いかけている少年や少女がいます。ピアノだけではなく、ヴァイオリンなど他の楽器を演奏する者の間でも「有馬公生」はいまだに大きな存在です。

公生の隣の家に住む幼なじみの澤部椿(さわべつばき)もまた、公生のピアノに魅せられた一人です。子どもの頃からいつも一緒。公生のことを弟のように思っている椿は、自分自身は同じ中学のソフトボール部で強打者として活躍しながら、いっぽうでいつも隣から聴こえていた公生のピアノの音がふたたび響き出す日がくるのを心待ちにしています。

椿ともう一人、公生を気にかけているのが、やはり同じ幼なじみでサッカー部の部長、渡亮太(わたりりょうた)です。女の子にモテて、自分も女の子が大好きな亮太は一見軽薄ですが、物事の本質をさらりと言葉にできる鋭い感性の持ち主でもあります。

四月は君の嘘
まったく異なる性格の公生、椿、亮太。それぞれの想いが交錯しながら物語は進む。

物語が動き出すのは春、四月。

公生はある日、椿に「明日の土曜日、暇?」と誘われます。同じクラスの女の子に亮太を紹介してほしいと頼まれたからつきあってほしいというのです。その子はクラシックをやっている。もし話が詰まっても、公生なら楽器の話ができるから、というのが理由です。

その椿に対し、公生は答えます。

「僕は、ピアノはやめたんだ。もう2年も弾いてない」

椿にとっては予想通りの返答です。そんなことは百も承知の上で誘っている彼女は、こう言います。

「ピアノ弾いている公生の方がかっこよかったな」

ピアノを弾いていない自分は空っぽ。自分にはピアノ以外なにもないことは公生自身も知っています。けれど、ピアノを弾くと途中から音が聴こえなくなってしまう。そこから抜け出ることができずにいる公生にとって、世界はモノクロームにしか見えないのです。

圧倒的個性を持った演奏家――宮園かをりとの出会い

翌日、椿や亮太と待ち合わせた公園に一足早く着いた公生は、どこからか聴こえてくるピアニカの音に惹かれて音の鳴る方へと歩きます。

そこで目にしたのは、遊具の上で子どもたちから借りたピアニカを弾いている少女でした。子どもたちと一緒にブレーメンの音楽隊のように楽しげにピアニカを演奏する少女の姿に、公生はつい見とれて携帯のカメラを向けてしまいます。

少女の名は宮園かをり(みやぞのかをり)。彼女こそが椿に「渡君を紹介してほしい」と頼んできた女の子でした。

四月は君の嘘
かをりとの出会いをきっかけに、公生を取り巻く世界がめまぐるしく動き出す。

公生のカメラに気付いたかをりは、可憐なその姿からはほど遠い凶暴ぶりを発揮して、ピアニカを武器に「この変態!」と公生に襲いかかってきます。ところが、椿や渡が来ると一変してぶりっ子に。その変わり身のはやさに公生は「見とれた自分が恥ずかしい」と呆れるのでした。

かをりと椿がなぜ待ち合わせの場所にこの公園を選んだのか。その理由は隣のホールにありました。この日、ホールではヴァイオリンのコンクールがあったのです。

「いまからあそこで演奏するの。わたし、ヴァイオリニストなの」

かをりは戸惑う公生の手をとって「君も行こう」と誘うのでした。

始まったコンクールはヴァイオリンのソロではなく、ピアノの伴奏がつくという独特のスタイルのものでした。課題曲はベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」。リサイタルやコンサートとは違い、こうしたコンクールでは、いかに譜面に忠実に弾くか、そこが評価されます。

かをりの出番は4番目。その演奏に会場の聴衆は息を呑みます。彼女の奏でるヴァイオリンは、同じ課題曲とは思えないものでした。あまりに自由なその演奏は審査委員長の怒りを買います。

「テンポも強弱もでたらめ。ピアノまで無視して勝手に弾いている。作曲家に喧嘩を売っているようだ」

しかし、公生や他の聴衆の感想は違いました。

「クロイツェルだけど、この曲はもうベートーヴェンのものじゃない。この曲はまぎれもなく彼女のもの」

作曲家に盲従しない圧倒的な個性。公生はかをりから目が離せません。

暴力上等、性格最低、印象最悪、でも……彼女は美しい。

審査の結果はもちろんバツ。普通なら二次予選通過はありえない状況です。が、かをりは後日行われる二次予選に「聴衆推薦」の形で進出することが決まるのでした。

ラストに明かされるもうひとつの物語=真実

次の週、他の女の子と一緒にいる渡の代役としてかをりにカフェに誘われた公生は、そこにいた小学生の女の子に請われて一緒に店にあったピアノで、ほんのわずかですがモーツァルトの『きらきら星変奏曲』を奏でます。

公生のピアノに触れ、なにかを確信したかをりは、帰り道に自分がピアニストとしての公生を以前から知っていたと打ち明けます。

「同世代で君を知らない演奏家はいないよ。君は私たちの憧れだもの」

そんなかをりに、公生もピアノをやめたわけを話します。

「ピアノの音が聴こえないんだ」

これは罰なんだと話す公生に、しかし、かをりは「甘ったれんな」と納得しません。

「悲しくてもボロボロでもどん底にいても、弾かなきゃダメなの。そうやって私たちは生きていく人種なの」

そして公生に向かってこう言うのです。

「よし、決めた。私の伴奏者に任命します」

次に出るコンクールの二次予選。かをりはそのピアノ伴奏に公生を指名したのでした。モノクロームだった公生の世界は、かをりの登場によって色づいていきます。

四月は君の嘘
「私の伴奏者に任命します」と告げるかをりに、公生が出した答えは……。

公生とかをり、若き2人の演奏家のドラマは1年後の春まで続きます。鍵盤と向き合うこと、それは公生にとって乗り越えなければならない壁=母親・早希との関係に向き合うことでもあります。そして物語は、公生とかをりだけではなく、椿や亮太、公生のライバルであるピアニストたちそれぞれの思いや葛藤をていねいに紡いでいきます。

全編を通して見る者を魅了する美しい作画。鳥肌が立つほど圧倒的な演奏シーン。クラシックの世界に舞い戻った公生がピアニストとして新たな道を歩み出す……全22話の物語はその姿を描きます。

最終話のラストで明かされる事実。それを見たとき、視聴者はこの物語に隠されていたもうひとつの物語=真実に気づくこととなります。公生とかをり、2人の出会いに秘められていたささやかな嘘。そこに涙しない人はいないでしょう。

〈Information〉

四月は君の嘘
(C)新川直司・講談社/「四月は君の噓」製作委員会

四月は君の嘘
Blu-ray Disc BOX(完全生産限定版) 好評発売中
販売:アニプレックス

詳細は公式サイト

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