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キュン死に!一生アニメ3

『宇宙よりも遠い場所』|キュン死に一生アニメ第3回

食事や運動だけでなく心にも栄養を! ストレス発散必至の涙腺崩壊アニメをご紹介。第3回は、4人の女子高生が観測隊の一員となって南極大陸をめざす『宇宙よりも遠い場所』です。

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冒険心と好奇心いっぱいの青春グラフィティ

高校時代、みなさんはどう過ごされたでしょう。部活に全力投球した人、親友と呼べる友だちと楽しく過ごして青春を満喫した人、いろいろやりたかったのにできなくて不完全燃焼だった人。人によっていろいろな高校時代があったと思います。

本作『宇宙よりも遠い場所』の主人公、「キマリ」こと玉木マリ(たまき・まり)も、人生でたった一度きりの高校時代に何かをやりたいと願っている女の子です。物語は、そのキマリがふとしたことから出会った仲間たちとともに南極大陸を目指す姿を描いています。2018年1~3月に放映された全13話の作品は号泣必至、青春アニメの名作として海外でも高い評価を受けています。

作品の中心となるのは、高校2年生のキマリ、彼女と同じ学校に通う小淵沢報瀬(こぶちざわ・しらせ)、高校を中退してコンビニバイトをしている三宅日向(みやけ・ひなた)、キマリたちより1学年下で子どもの頃からタレント業をしている白石結月(しらいし・ゆづき)の4人。物語が始まる時点で、彼女たちはお互い顔見知りですらありません。

キマリが住んでいるのは群馬県館林市。惰性で学校に通う彼女の日常は平凡そのものです。高校入学時に自らメモにした「あてのない旅に出る。」「青春、する。」といった誓いはどこへやら。高2になった現在、淀んだ水のような日々を持て余し気味のキマリは、ある日、駅ですれ違った自分と同じ学校の制服を着ている女の子が落とした封筒を拾います。

中身はなんと100万円の札束でした。

宇宙よりも遠い場所
100万円の入った封筒を報瀬に返したキマリ。報瀬との出会いでキマリの青春が回り始める。

翌日、学校で女の子=報瀬を見つけたキマリは、彼女の口から南極観測隊員だった母親の貴子が3年前にかの大陸で行方不明になったことを聞かされます。

貴子は結局見つからず、遺品もほとんどない状態。残っているのは生前に書いた著書『宇宙よりも遠い場所』くらいです。だから、と報瀬は言います。

「わたしが行って、見つけるの」

その発言に、キマリは「南極に? 行けるの?」と驚きます。報瀬にとって、それはいつもまわりの大人たちや同級生から言われていることです。だけど報瀬は本気です。100万円はそのためにアルバイトして貯めたお金なのです。

「わたしは行く。絶対に行って、無理だって言った全員にざまあみろって言ってやる」

きっぱりとした表情で言いきる報瀬。第1話中盤のこの場面でぐっときた人は、最終回の13話まで間違いなく楽しめます。

報瀬との出会いから動き出したキマリの青春

報瀬の学校でのあだ名は「南極」。友達をつくらず放課後はバイトに明け暮れる彼女は周囲から変人扱いされています。

しかし、自分も何かをしたいのにいざとなったらこわくなって動けなくなるキマリにとって、南極に行くという大きな目的を持っている報瀬は眩しい存在です。彼女を応援したいキマリは「何か手伝えることない? あったら言って」と訊きます。

そのキマリに、報瀬は言います。

「じゃあ、一緒に行く?」

そしてキマリに1枚の紙を渡します。

宇宙よりも遠い場所
「じゃあ、一緒に行く?」と報瀬からチラシを渡されたキマリのとった行動は……。

「船の下見、次の土曜ここに来て。そしたら本気だって信じる」

紙は南極観測船(砕氷艦)『しらせ』の一般公開のチラシでした。これまで何度もキマリと同じことを言う友人たちに裏切られてきた報瀬は、キマリがどれだけ本気か試したのです。

一般公開の場所は広島県の呉市。群馬からだといったん東京駅に出て、そこから新幹線で広島駅まで行き、在来線に乗り換えてやっとたどり着ける場所です。むろん、キマリにとってはそれだけで大冒険です。

一晩迷った末、迎えた土曜日の早朝、キマリは家を出ます。

わたしは旅に出る。
今度こそ旅に出る。
いつもと反対方向の電車に乗り、見たことのない風景を見るために。

新幹線車内で合流したキマリと報瀬は呉港に行き、『しらせ』を見学します。はじめて目にする巨大な砕氷艦。それは2人を南極へと運んでくれる夢の船です。

宇宙よりも遠い場所
広島で砕氷艦『しらせ』を見学したキマリと報瀬。南極への夢はますます膨らんでいく。

赤道を抜け、嵐を抜け、氷を割り、日本から1万4000キロ、
宇宙よりもはるかに遠い、誰も寄せつけない、その場所へ。

動き出したキマリの青春。物語は同時に、彼女たちを日常から非日常へと運んでいきます。

4人が旅立った「宇宙よりも遠い場所」、そこで見たものとは

問題はどうやって南極へ行くか。

報瀬には計画がありました。かつて母の貴子が参加した民間の南極観測隊の隊員になって、次の遠征に参加しようというのです。そのキマリと報瀬の話を聞いて、自分も行くと名乗りをあげたのはキマリがバイトで入ったコンビニの店員である日向でした。わけあって高校を中退した日向はすでに高校認定を取っていて、大学に入る前にやはり何か成し遂げたいと願っていたのです。

3人は無理を承知で観測隊に直訴しようとしますが子ども扱いされて跳ね返されます。が、その無茶な行動が結果的には幸運を呼び寄せます。観測隊にレポーターとして参加が決まっていた結月と知り合い、彼女の同行者となることで南極行きの切符を手にするのです。

物語の後半は南極が舞台。飛行機でシンガポール、そしてオーストラリアのフリーマントルへ。船に乗船した4人は猛り狂う海を越えて南極大陸の地を踏みます。白一色の南極の景観や細部まで描かれた昭和基地、南極観測船の「ペンギン饅頭号」での船内生活は圧巻のリアリティです。

舞台である南極とともに、作品の魅力となっているのはキマリ、報瀬、日向、結月のキャラクターです。それぞれが抱える過去と、それを乗り越えていこうとする姿に共感を覚えない人はいないでしょう。

こわがりなくせして好奇心旺盛なキマリ。外見はクールビューティーなのに実はあがり症でポンコツキャラの報瀬。頭の回転がよく自分が発明した名言(迷言?)を連発する日向。大人っぽい反面、これまで芸能活動が忙しくて友たちが1人もいなかったという結月。全員が個性の塊である彼女たちが友情を育んでいく様は作品の大きな軸となっています。

後半最大の見どころは12話。4人はついに、貴子が消息を絶ったその場所を訪れます。

宇宙よりも遠い場所
ついに南極大陸にたどり着いたキマリ、報瀬、日向、結月の4人。

作品のもうひとつの魅力は作中に流れる『ハルカトオク』『宇宙を見上げて』『ここから、ここから』『One Step』などの挿入歌。毎回、ここぞという場面で作品を盛り上げてくれます。

いつまでも余韻に浸れる気持ちのいいアニメが観たい。そう思う人にはイチオシの作品です。

〈Information〉

宇宙よりも遠い場所
©YORIMOI PARTNERS

宇宙よりも遠い場所
(そらよりもとおいばしょ)
Blu-ray BOX 好評発売中

監督:いしづかあつこ 出演:水瀬いのり、花澤香菜 ほか
発売元・販売元:KADOKAWA

詳細は公式サイト

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