
泣けるアニメで、気持ちよくストレス発散!『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』|キュン死に一生アニメ第1回
食事や運動で体にいいことをしたら、心にも栄養を届けてあげましょう。ここでは観ていて感動に胸キュン。涙腺崩壊必至の珠玉のアニメ作品を紹介します。
美麗な作画と異国情緒あふれる世界観に胸キュン

※以下、ネタバレを含みます。
テレビシリーズは2018年に放映。主人公のヴァイオレット・エヴァーガーデンは「感情を持たない少女」。接する相手には「人形」のように感じられる彼女が「愛してる」という人間らしい言葉の意味を知ろうと成長していく物語です。
まず目を奪われるのはキャラクターや背景の美しいビジュアル。青い瞳を持つ主人公の佇まいはもちろん、舞台となる欧風の街並みや美しい田園の風景が目の保養になります。
第一話に登場するライデンシャフトリヒ国の首都ライデンは、活気あふれる港町。港には汽船が行き交い、街路にはトラムが走っているその光景は、これから始まる物語への期待とあいまって異国情緒を感じさせてくれます。
「愛してる」の意味を求めて

ヴァイオレットがいる世界では、つい最近まで戦争が行われていました。「ライデンシャフトリヒの戦闘人形」と呼ばれていた彼女は大戦末期の戦いで重傷を負い、孤児だった自分を育ててくれた上官のギルベルト少佐と別れてしまいます。少佐はその後、消息不明に。戦いを終えた彼女の心に残っていたのは、別れ際に少佐が残した「愛してる」という言葉でした。
「愛してる」とはいったいどんな意味を持つ言葉なのか。「武器」として扱われ、ただ上官の命に従うだけだったヴァイオレットにはそれがわかりません。入院先の医療施設を退院したヴァイオレットはその言葉を胸に抱えたまま、ギルベルトの親友のホッジンズにともなわれてライデンに向かいます。
ライデンの街で、ヴァイオレットはホッジンズの経営するC.H郵便社の自動手記人形(通称“ドール”)になることを希望します。
感情のないヴァイオレットが選んだ仕事―代筆業

自動手記人形の仕事、それは代筆業。依頼主に代わって手紙を書く自動手記人形には、相手の言葉の裏に潜む本当の想いを汲み取る力が必要とされます。
しかし、人の想いどころか自分自身の感情すら理解できていないヴァイオレットには軍隊の報告書のような味気ない文章しか書けません。感情に起伏のない彼女の声は冷たくはないけれど抑揚がなく、どんな相手に対しても上官に対するそれのように敬語でしか話せない。どこかずれた不器用な姿は、まさに「人形」という言葉がぴったりです。
物語は、そんなヴァイレットがさまざまな境遇の依頼者たちが持つ「愛」に触れることで、徐々に人間らしさを学んでいく姿を描いています。
泣きポイント ヴァイオレットの涙に号泣する第10話

毎回が「神回」と呼びたくなるこの作品。とくにファンの間で「泣ける!」と熱く支持されているのが第10話です。ヴァイオレットは死期の近い母親と娘のアンが暮らす屋敷を訪れます。そこで母親に頼まれた手紙をひたすらタイピングします。
突然やってきた「すごく大きなお人形」に戸惑ったアンは、母親に誰に出すか知れぬ手紙などを書いているよりももっと自分といてほしいと懇願します。そんなアンに、ヴァイオレットはこう語りかけます。
「人には届けたい想いがあるのです。届かなくていい手紙なんてないのですよ」
ここまで物語を観てきた人にとって、ものすごく胸に響く言葉です。
あの感情のなかったヴァイオレットが、こんなに人間味あふれる言葉を口にするようになった。それだけでも彼女の心の成長が伝わってくるのです。
母親の手紙は、もちろん、最愛の相手=娘への手紙でした。
仕事を終えてC.H郵便社に帰ったヴァイオレットは、とうとうそれまでは表に出さなかった感情を爆発させます。
双眸からあふれ落ちる涙。「道具」や「人形」として扱われてきた、そして自分でもそう振る舞っていたヴァイオレットが流す涙は、ともに彼女の成長を見守ってきた視聴者の心を揺さぶります。筆者もこの場面では「ヴァイオレットが……泣いた!」と思わずもらい泣きしてしまいました。
「愛してる」の意味を知ったヴァイオレット。彼女のギルベルト少佐への想いはどこに向かうのでしょう。
可憐なキャラクターとハイクオリティな作画。泣けるだけじゃない、美しいアニメで心に潤いを与えてください。
〈Information〉

ヴァイオレット・エヴァーガーデン1(Blu-ray)
監督:石立太一 出演:石川由依、子安武人
販売:ポニーキャニオン
詳細は公式サイトへ
[ プロフィール ]